プレスリリース
391号(09年3月)
政府の農政改革特命チーム会合で提言しました
  〜消費者・女性の視点で農業政策の転換を!
 
 いま世界では食料需給がひっ迫し、日本では農業の生産構造が脆弱化して、農村地域の疲弊も深刻化しています。そこで政府は、日本の農業が持続できるよう、農業政策の抜本的な見直しのため「農政改革関係閣僚会合」を立ち上げ(内閣官房長官及び農政改革担当大臣主宰)、この会合の下に、「農政改革特命チーム」を設置しました(内閣官房、内閣府、総務省、経済産業省、財務省も参加)。

全地婦連も意見求められる

 2月24日、農政改革特命チームの求めに応じ、全地婦連は消費者団体代表として、今後の農政改革について意見を述べました(第3回会合)。
 冒頭ではまず、「昨年の事故米に伴う一連の対応を見ると、農林水産省はかつてBSE問題が発生した時に機構改革まで行い、「これからは消費者に軸足を置く」と宣言したにもかかわらず、結局は省内に消費・安全局を立ち上げただけで安心し、消費者に軸足を置いた農政改革が行われていなかったことは明らかで、誠に遺憾」と指摘。
 その上で、次のような提言を行いました。なおこの提言をまとめるにあたっては、全国の加盟団体より真摯な意見を寄せていただきました。

農政への提言内容

1 消費者と協働で

 農業政策は、生産する農家と食する消費者との双方のことを考えて立案・実施すべき。これまでの農業政策は、生産者(及び流通業者)の視点に偏っていた。今後は生産者と消費者が協働して農業を考えていく体制が必要。
(1)農業政策関係の審議会委員構成は生産者と消費者を半分ずつぐらいに。
(2)農林水産省と農協等関連団体も生産者と消費者のウエイトを同等に考えて取り組みを。
 
2 国内農業に対する正確な理解の普及

 国内農業を守ることの必要性を消費者も充分に理解できるよう、状況をわかり易く整理して説明することが重要。
(1)食料の供給に安心を得られるためにも、国内農業が不可欠であること。ただし安全性の確保が前提(3を参照)。
(2)食料供給を外国に大きく依存することは危険で、自給率をもっと引き上げる必要性があること。
(3)日本の国土と自然環境の維持には、一定以上の農業の存在が不可欠。
 
3 食品安全の確保

 消費者が、国内農業を守り、国産の農産物を購入しようと思えるようになることが最も重要で、そのためには、何よりも安全性が確保され、日本の農産物なら安心と言えるようにすることが大前提で、自然環境を守る役割も農業にはあることから、以下の要素が不可欠。
(1)きちんとした安全基準・環境基準とそれが守られるための制度の構築。
(2)生産地の情報開示と食品への表示の徹底。
(3)安全・安心と自然環境を守ることを含め農業政策が信頼されることが大切。事故米のような事件は論外。農業政策が信頼されないと、日本の農産物の信頼も失う。
(4)JAS法、その他消費者の安全・安心・信頼を守るための法律に違反した場合の、刑罰をもっと重くすべき。
(注)JAS法違反……重くて一年以下の懲役又は100万円以下の罰金

4 農業予算の透明化

 国内農業を守るためのコストは、明確で消費者が納得できるものであること。
(1)農業予算の透明性と説明責任が重要。農業予算が、なぜ、何のために使われているかわかりやすく消費者に説明し、理解を求めることが必要。
(2)農産物の価格形成にも透明性と説明責任が必要。農家の出荷価格、輸入品との比較、流通マージンなど、各段階での透明性が必要。
 
5 女性の参加促進

 国民の半分は女性で、食料を選ぶ人の半分以上が女性。従って女性の視点を重視した農業が大切で、元気な農村づくりにも女性の力が不可欠。
 農協役員、農業委員に女性が30%以上就くよう候補者推薦時に考慮を。

6 減反政策

 危機的自給率にありながら、補助金を出して減反し、休耕田を作って自給率を引き下げている。休耕田を減らして自給率を引き上げるように農業政策の見直しを検討すべきときに来ている。

−◇−
 
 以上の提言は、第4回農政改革特命チーム会合(3月3日)でまとめた、「論点案(基本的視点)」に反映されました。
 全地婦連は消費者の視点を大切にするとともに、地域活性化など総合的視点で、日本の食料供給力向上のため、多角的に提言活動を続けます。
 
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