プレスリリース
388号(08年12月)
幹部研修会と理事会を開催
標準化/北方領土/地域の元気と女性
 12月15・16日、京都駅近くのリーガロイヤルホテル京都において、幹部研修会と理事会を開催しました。1日目は幹部研修会で、標準化と製品安全、北方領土問題、地方自治と女性の役割のテーマで、2日目は活動交流と理事会を開催しました。

幹部研修会の様子
 開会では、中畔都舍子全地婦連会長に続き、間瀬雅晴独立行政法人北方領土問題対策協会理事長と、今年40周年を迎えた(株)ちふれ化粧品の松井弘之代表取締役社長より挨拶をいただきました。

■「暮らしに役立つ標準化」
講師 経済産業副大臣 高市 早苗氏

高市早苗経済産業副大臣
 高市早苗経済産業副大臣からは大変わかりやすく多くの事例とともに丁寧にお話いただきましたが、要旨のみまとめます。
 「生活に役立つルールには2種類あり、一つは国が法律でルールを作って事業者が守る強制力のあるもの(建築基準法や薬事法など)、もう一つが合理的な消費、製造を促すための標準化です。
 たとえば単三の乾電池を各社が違うサイズで作ったら困りますね?トイレットペーパーも芯の直径や巻取り、水にほぐれるかなど、品質がすべて標準化されています。
 わかりやすくいうと、くらしを便利にするために形や品質を揃えることが標準化です。
 工業標準化法による日本工業規格JISは、工業製品の形・寸法、品質などを規定。識別のため、分野のアルファベット一文字と4桁の数字で表示します。(例キッチンの寸法=JISA0017)
対談「元気な地域づくりと女性の役割」
 このように互換性の確保、生産効率を上げるといったことが目的ですが、近年は、消費者保護、省エネ、リサイクル、高齢者や障害をお持ちの方への配慮、といった要素も、基準を作って標準化されるようになっています」とのお話でした。
 続いて、川上景一独立行政法人製品評価技術基盤機構理事より、「最近の製品事故情報ととりくみについて」のテーマで、具体的な事故事例を挙げながら、その対応についてご説明いただきました。

北方領土問題―法と正義に基づく解決を―

講師 津守 滋 桐蔭横浜大学客員教授

 はじめに鈴木和則内閣府北方対策本部参事官補佐から挨拶を兼ねたお話です。北方領土返還要求運動で重要な役割を果たしつつも、老朽化等で船旅も厳しいビザなし交流船。平成24年度を目途に新たな船の調達と運行を目指しており、多くの意見を聞きながら整備したいとのことでした。
鈴木和則内閣府北方対策本部参事官補佐

津守滋桐蔭横浜
大学客員教授

 続いて本日の講師である、元外務省欧亜局審議官で各国の日本大使館にも勤めてきた津守滋桐蔭横浜大学客員教授のお話です。仕事としての関わりに加え、母親が根室出身で、子どものころから北方領土問題の話を聞かされてきたそうです。
 北方領土問題は極めて特殊な、第二次大戦後の戦後処理の問題で、日本が降伏した直後、明らかに日本固有の領土である四島にスターリンが侵略してきたのです。戦争終結には(1)停戦合意と(2)平和条約の締結が必要ですが、領土問題により、今だに平和条約は締結されていません。

国際的に認められていた日本の領土
 1855年の日魯通好条約以前の歴史や、それ以降の国際交渉の実際の内容を見ても日本固有の領土であることは間違いありません。
 吉田茂首相がサンフランシスコ講話条約を締結する際も、北方四島は、暴力・略取・貪欲などを目的で他国から奪ったのでなく、明らかに昔から日本の領土であることを前提に、日本が降伏により放棄するとある千島列島には、四島は含まれない、との立場を確認。反対する国は無かったのであり、日本の立場は国際的に認められていたのです。
 しかし一向に返還されず、ロシアは、ヨーロッパがたびたび国境を変化させていることを例にあげて、日本の主張を批判する傾向さえあります。一方、ゴルバチョフやエリツィンは四島を返還してもよいと考えていたとも予測されます。
  ビザなし交流については、この仕組みがなければ領土問題に対するとっかかりを失うし、元島民の一時帰島が可能となった、日ロ両住民の相互理解が進んだなど、大きな意義があると同時に、長期の滞在を可能とする方策や、日本語のわかるロシア人を増やすといった改善点を指摘。
 11月の麻生首相との会談でロシアのメドベージェフ大統領が、領土問題を次世代に委ねないと発言していますが、粘り強い外交交渉とともに、北方領土におけるロシア執政権の既成事実化を阻止する必要があります。
 知床半島に続く豊かな自然遺産を、どう次世代に引き継ぐことができるのかといった大局的な視点で、両国が協力して領土問題の解決や外交関係を構築できるようなればとも述べられました。

くらしの安心を未来につなぐ〜NITEの役割と標準化
独立行政法人製品技術評価基盤機構
川上景一 理事

川上景一(独)製品評価技術基盤機構理事
 独立行政法人・製品技術評価基盤機構は略称NITE(ナイト)といい、化学物質やバイオテクノロジー分野と同時に、製品の安全・安心に直結する仕事をしています。
 一つは、ある製品がJISに適合した規格や品質となっているかどうかを検査し、適合していればJISの認定を出すことが認められている第三者機関があるのですが、そこが検査能力のある機関かを国に代わってチェックして資格を与える適合性認定分野の仕事です。
 もう一つが生活安全分野で、製品事故の未然防止・再発防止を目的に、製品の事故情報を、関係省庁や関係機関の協力を得ながら収集します。
 重大事故は経済産業省に報告するよう義務付けられていますが、それ以外のヒヤリ・ハット事故などもNITEに報告してもらうようにしており、平成19年度だけで7、300件の事故報告が集まりました。これらの事故の原因を調査し、結果についての情報提供も行っています。
 事故原因の調査や実験は、場合によっては消防や警察、大学とも連携して行い、回収命令をするようにとか、規格基準自体を見直すようにといった、提言も行います。
 FF式ガスストーブや、ガス給湯器による一酸化炭素中毒による死亡事故がありましたが、例えばストーブについては、消費生活用製品安全法に基づいて直ちに回収命令が出されたあと、NITEが原因究明を行い提言しました。

■古い家電製品に注意
 製品事故に締める割合は、家庭用電気製品と燃焼器具で約8割です。
 家庭用電気製品では、設計や製造の問題、劣化など、製品に起因する事故が56%で、長年の使用で製品が劣化して発火などの事故となる例がそのうちの1割を占めます。
ストーブなどの、燃焼器具は、消費者が使い方を誤って事故を起こすなどの、製品に起因しない事故が65%にのぼります。
 その他、ビニル製品による皮膚障害、ゆたんぽや電動式介護ベッドなど、あらゆる製品事故・被害を監視し、原因究明、改善に努めています。

対談 元気な地域づくりと女性の役割

佐村知子総務省大臣官房審議官X大西珠枝京都大学副学長

 1日目最後のプログラムは、豊富な行政経験と、京都府と岡山県でそれぞれ副知事を務められ、地方自治の視点や男女共同参画政策への関わりも持つ、お二人の対談です。

■お二人の歩み
佐村知子氏 大西珠枝氏
  佐村氏は、旧郵政省で経験を積まれた後、2002年から京都府の副知事を務め、京都府の婦人会とも交流。京都府の男女共同参画条例は全都道府県中46番目にできたもので、世の中がまだ男女共同参画という考え方に追いつかない中、例えば伝統文化と女性の参加について(例:女性の参加を禁止したお祭りや相撲の土俵など)の考え方など、当時大西さんにもアドバイスを受けたそうです。知事とともに京都大学との交流を試み、行政改革で京都大学が国立大学法人になった時には、普通は知事が入る大学の経営協議会に佐村氏が入り、女性研究者育成事業を内閣府に申請する際にも応援されました。
  現在は、地方分権や地方制度調査会など、自治体や地方議会が仕事をしやすくなったり活性化するための仕事や、分権改革推進委員会のお手伝いもされています
 大西氏は、京都大学を卒業後、旧文部省に入り、平成8年から婦人教育課長となり、全地婦連とも交流。全国大会にも2度ご参加で、婦人会パワーに圧倒されたそうです。
 その後、社会教育課長を経て総理府の男女共同参画室長の3代目をつとめ、国の男女共同参画基本計画の策定時には、女性の力に期待しつつも、それが生かしきれていない様々な分野があると感じたそうです。
 2002年、岡山県で女性の登用を掲げて当選した現在の知事の2期目に、副知事になったが、すでに男女共同参画条例も作られていました。

■地域と女性
 さらに地域と女性をテーマに活発なやり取りがなされました。
 全体を変えるのは、トップの努力と同時に、地道な努力も大切。自分も声がかかったら、わたしなんか、といわずに出て行く。誰かが活躍しだしたら、足をひっぱらずにおしあげてあげる。そしゆずることも大切。
 第一次地方分権改革以降、地方自治体や知事が、国の出先機関ではなく、国と対等な関係に、と改革が進む。地方自治体への権限委譲と合併で、自治体が自分で考え実現する力が育くまれることも目指された。合併で周辺自治体の過疎化が進んだ、地域の絆が薄まったといったことが言われるが、合併しなかったらどうなったか。少子高齢社会の中、地域の絆を大切にした地域づくりや制度をどうするのか議論が必要。例えば地方議会はサラリーマンや女性が参加しにくいが、夜間や休日開催、通年開催、日当制、クウォーター制などの検討の余地はないのか?
 こうした時代だからこそ地域活性化には社会教育行政が大切との主張に理解が得られても、財政問題で主事など人員が減っているのが現実。
 行政サービスが後退する中、ネットワークづくりをして協力し合える関係をつくっていくことが大切。行政はそのネットワークづくりを支援。社会教育団体をはじめ、青年会議所や商工会議所などと一緒に考え、つないでいくことが必要では?
 広域行政になった以上、ネットワークも広域化し、しかし最後は顔の見える関係でもって取り組むことが大切では?
 男女共同参画条例も、合併後に引き継がれているところといないところがある。社会教育同様、重要性のあるものは、声を届けることが大切。
 子育てへの男女共同参画もそうだが、制度をつくっても利用されないなど、制度と意識の両方の課題がある。
 これから団塊世代が本格的に地域に帰ってくるが、いかにその世代を地域に入りやすくするか。老若男女ともにささえあっていく社会をどうしていくのか。やる気があってもどうやったらいいかわからないひとたちが多いが、婦人会は地域の誰に言えば、行政のだれに働きかければ何が出てくるかということもよくご存知。辛抱がいるかとは思うが、そういうネットワークの結び目としての活躍を期待している、など、婦人会への期待と示唆を込めたたくさんの論点をいただきました。
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