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プレスリリース
379号(08年3月)
エレベータ事故を考える会にマスコミふくめ多くが参加  

 3月10日、東京渋谷の全国婦人会館で、「事故はなぜ起きたのか? あれから1年8カ月〜市川大輔さん(当時16歳)シンドラー製エレベーター圧死事故の経過報告と課題について考える会」を開催しました。主催は全国地域婦人団体連絡協議会、日本青年団協議会、赤とんぼの会、シティハイツ竹芝住民の安全を守る会の4団体です。約70人収容の会議室に60人が参加。新聞・テレビなどマスコミ各社もそろい、関心の高さがうかがえました。

代理人からの報告

市川大輔さん、エレベーター圧死事故学習会
 会では、市川大輔さんの遺族側の代理人である前川雄二弁護士から、事故発生以降、政府など (安倍総理大臣(当時)、国土交通大臣、警視庁)への要請行動について報告が行われました。
 また前川弁護士は、日本の公的機関からは、未だにどこからも事故原因について公式な発表はまったくされないまま、しかし、エレベーターは毎日至る所でたくさんの人々に利用されている現実について、本来はもっと緊張感をもって考えなければならない問題だとして、エレベーターやブレーキの構造などの説明に移りました。
 建築基準法第36条ではエレベーターについて「かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じていなければ、かごを昇降させることができない装置」と規定されているものの、実際には扉は開いたまま走行し、事故が発生しています。
 前川弁護士は、具体的にどんな装置でそれ(36条の規定)を担保するのかは、現状ではメーカー任せになっているのも問題だと指摘されました。

シティハイツ 竹芝の住民から

 その後、事故の起きた建物・シティハイツ竹芝の住民の安全を守る会の代表者二人から、事故の起きた2006年6月3日をはさんで起きた変化も含めて話していただきました。
 事故前は異常音、指定階に止まらない、段差などは当たり前だったシンドラー製のエレベーターが、他のメーカーに変わったことで解消されたこと。しかし、それら表面的な変化は、感応的には安心であり、且つ住民は表向き平静を装っているものの、最大の課題と関心は事故原因の解明にあり、それがすすまなければ再発防止策を講じることができないと述べられました。
  障害者も含めた住民の中には、事故を思い出して不安になり、怖くてエレベーターの利用が未だにできない人もいるなど、シティハイツ竹芝の住民が抱えつづけている問題なども紹介されました。

赤とんぼの会

 市川大輔さんは当時、都立小山台高校の野球班に所属していました。
 平成19年度小山台高校野球班3年保護者の会で結成した「赤とんぼ」の会では、この間、街頭で署名活動をつづけてきました。
 署名活動の成果、要請行動の報告が行われ、今後大輔君の3回忌までに10万筆を目標に、署名を集めることと、協力の要請がありました。

大輔さんの お母さん

 市川正子さんは、大事なひとり息子の大輔さんを突然の事故で奪われ、この間の喪失感・絶望感、そして事故原因の解明がすすまないことへの憤りの念を吐露され、中立的な事故原因調査機関の設置を切望されました。
保守管理の問題も

 来場者の中から、エレベーターの保守管理の問題についても指摘がありました。
 シティハイツ竹芝は港区所有の集合住宅です。保守管理は港区が入札で業者選定を行っていますが、保守管理会社は、エレベーターが設置された98年から2004年まではシンドラー(株)が行い、それ以降は、2社の保守管理会社が受託しています。

原因究明に向けた課題

 業務上過失致死罪での立件を念頭においている警察が、すべての証拠・情報を保管していることから、他の機関での原因究明が進められていません。
 国土交通省も原因解明は警察組織が行うことを前提に、省内では、社会資本整備審議会建築分科会建築物等事故・災害対策部会において、安全対策についてのとりまとめをすすめています。
 主催者からは、経緯と現状の課題を共有した後、マスコミ、市民社会、立法府等それぞれの立場で事故原因究明に向けた取り組み促進をお願いしました。
 主催団体では、今後も課題解決にむけた取り組みの継続を確認し、閉会しました。
 
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