プレスリリース
378号(08年2月)
何故事故は続くの?エレベーター事故による少年の死
  原因究明も責任追及もない現状で学習会を開催します!
 
原因究明が再発防止に不可欠

 2006年6月3日、東京都港区の「シティハイツ竹芝」で、シンドラー(株)製のエレベーターの扉が開いたまま上昇し、乗っていた市川大輔(ひろすけ)さん(当時16歳)が扉にはさまれて圧死しました。事故から2年近く経過した今でも、原因究明が進んでいません。
■エレベーター事故の学習会を開催します
  ・日時 3月10日(月)午後6時〜8時
  ・会場 全国婦人会館
  ・内容 事故の内容、経過、課題について
 ご両親の市川和民さんと正子さんは、今年の1月から都内の街頭に立ち、「原因究明」と「責任の所在解明」を求める請願署名活動を開始されました。事件を風化させないためにも、市川正子さんのお話や資料の一部から、同社のエレベーターをめぐるいくつかの事故をご紹介します。


戸開走行するエレベーターは許されない

 安全と信じていたエレベーターで、なぜ大輔君は命を失わなければならなかったのか、一日も早い原因の究明と責任の所在の解明は、同じような悲惨な事件を二度と起こさないために、十分な再発防止策を講ずる上で極めて重要なことです。
 多くの人が利用するエレベーター。その便利な乗り物には、「かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じていなければ、かごを昇降させることができない装置」(建築基準法第36条、建築基準法施行令129条の10第3項3号)、いわゆる「安全装置」の設置が義務づけられています。
 扉が開いたままでは昇降しないことがエレベーターの安全性であり、それは守られるべき最低限の安全性と誰もが考えるところです。しかしシティハイツ竹芝のエレベーターは、扉を開けたまま上昇してしまいました。
 
そのエレベーターは死亡事故前からトラブル・不具合・事故が多発していた

 1998年に設置されたシンドラー(株)製のこのエレベーターは、2006年6月3日の事件以前から、トラブル、不具合、故障、事故等が頻繁に発生していたことが港区の不具合一覧や、シティハイツ竹芝の住民アンケート(回答した39世帯のうち9割近くが故障に遭遇)でも明らかになっています。
 問題は事故機だけではなく、シティハイツ竹芝の他のエレベーターでも、10階から1階まで急降下したり、また大輔さんの事件後も、同種の深刻な事件につながりかねない不具合が発生しています。
 
シティハイツ竹芝以外でも

 シティハイツ竹芝の他にもシンドラー(株)製のエレベーターでは、(1)愛知県白壁庁舎(2004年11月、扉が開いたまま下降)の事故(2)八王子市芸術文化会館(2006年4月22日、乗客が1階から乗り込んだところ、扉が閉まりきらず20〜30センチ開いたまま4階まで上昇)の事故(3)浦安市の賃貸マンション(2006年6月1日と10日、扉を開けたままの状態で最上階まで暴走)の事故が発生しました。
 この他、(4)広島県でも(1)ないし(3)と同様の事故が発生していることが確認されています。
 
海外でも死亡事故

 海外では、(5)香港(2002年1月1日、11歳の男児がシンドラー(株)製のエレベーターに挟まれて死亡。この事故も扉が開いたままかごが上昇)や、(6)ニューヨーク(2004年8月、高層ビルで死亡事故)でも同様の事故が発生しています。
 
疑われる原因

 シンドラー(株)は、国土交通省に対して事件後の2006年6月に、「90年から93年にかけて供給したエレベーターについて、制御プログラムにミスがあり、希に戸開走行が発生する」と報告しています。このことは93年にすでに把握していました。
 
今後の取り組み

 市川さんたちは国土交通省などに対して、事故調査委員会を設置し、徹底的な原因究明とエレベーターの安全基準の見直しなどを求めて請願署名活動への協力を呼びかけています。
 事件を風化させないための取り組みが求められています。
 
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