プレスリリース

368号(07年4月)
電力各社の原子力発電不祥事!
〜事故隠ぺい・不正の次をどうするのか?地域防災は?
 原子力発電所の過去約30年間に起こったさまざまな事故が、データ改ざんや検査のごまかしにより、隠ぺいされつづけてきたことが明らかになりました。
 中でも1978年に東京電力・福島第1原発で、1999年には北陸電力・志賀原発第1号機で「臨界事故」が起こっていたことも判明し、国民に大変な衝撃を与えています。
 日本政府は、原子力発電をエネルギー政策の柱にすることを打ち出していますが、このままで大丈夫なのでしょうか。  また、都市に暮らす消費者のための電気が、過疎地域にリスクを押し付ける形で生み出されていることの矛盾についても、私たちはいま一度、噛み締める必要があるでしょう。

臨界事故隠ぺいは重大な問題

 本来は核燃料の中に、核分裂を引き起こす中性子を吸収する作用のある「制御棒」を差し込むことで、中性子の量を調整して、核分裂反応をゆるやかにして発生するエネルギーを調整しています。
 核分裂が連続して起こり続ける状態を「臨界」と言いますが、「臨界事故」とは、この制御棒が脱落するなどして臨界状態が続く、つまり核分裂作用とエネルギーを制御できなくなってしまった状態をいいます。
 二つの臨界事故は、幸い大事には至りませんでしたが、JCOウラン燃料加工施設では1999年、発生の仕組みは異なるものの、二人が死亡する「臨界事故」が起こっており、周辺の住民には十分な情報もない不安な状態におかれ、行政も情報・指揮系統で混乱、住民退避も大幅に遅れるなど、原子力防災体制の不十分さも露呈しました。

原子力地域防災にもリスクコミュニケーションを

必須な情報公開とリスクコミュニケーション

 電力各社では、社内で言いたいことが言えず、事なかれ主義な「隠ぺい体質」がはびこっていたことが分かりました。
 例えば東京電力では、過去25年間の原発の法定検査で、約200回の虚偽データの報告を行っていたという、私たちには到底信じがたいお粗末な状況です。
 原子力発電施設は人間のつくったものです。当然、管理の不備や設備の劣化、自然災害もあります。大事故が起こる可能性もすべて否定することはできないのです。
 しかし人間には知恵もあります。どんな小さな事故も隠さず明らかにし、各電力会社や発電所を建設している企業(三菱、日立など)、行政・政府機関と住民・国民とが一定の緊張関係を常にもちながら、情報を介して企業の管理責任をシビアに問いかけつづけ、地域防災体制を含めて常に話し合い、必要な対策を行うように提言していくことが不可欠です。

エネルギー選択の自由

 エネルギー自由化の時代を迎えて、オール電化など電力各社の宣伝が盛んです。
 毎月私たちが払っている電気料金には、「電源開発促進税」を上乗せした形で徴収され、それは原子力政策にも使われています。しかも各電力会社は地域の「独占企業」で、消費者に他の会社を選ぶという選択肢がない、たいへん優位な立場にある企業です。
 したがってその企業責任は、一般企業とは一線を画すほどに限りなくシビアに問われるべきでしょう。
 地球温暖化対策として原子力発電の有効性が喧伝されていますが、放射性廃棄物や老朽化した施設の処理など、リスクや膨大なコストを考えたとき、ほんとうにベストなのか? 長距離送電のための高圧線の電磁波は大丈夫なのか? ガスや自然エネルギーなどの選択肢がせばまる=競争が減れば料金の値上げにつながらないか? などの疑問もあります。
 もちろん省エネ活動も大切です。目先の電力需要にとらわれない、持続可能なエネルギー政策の実現を望みます。

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