526号(20年6月)

ココロにおいしい冷凍食品

三浦佳子氏

知ってほしいその魅力

一般社団法人日本冷凍食品協会
広報部長 消費生活コンサルタント
三浦 佳子


 今回の予期せぬ「巣籠り」で毎日、毎食のメニューに悩んでいた方も多いことでしょう。皆さんは「冷凍食品」をお使いですか?
 今はコンビニエンスストアやドラッグストアでも気軽に購入できる冷凍食品。もっと知れば便利なだけではなく実はエコ。そして食品ロスを減らすことにも貢献できる、とても身近な食品であることに気付くはずです。

凍っていれば冷凍食品?

 皆さんのなかには、ご自宅で炊いたご飯や余った食材などを冷凍庫で保存している方も多いと思います。食材を無駄にしない一つの方法ですが、凍らせれば冷凍食品と呼べるのではありません。
「冷凍食品」と呼ぶには4つの定義があるのをご存知でしたか?
@前処理している
A急速凍結している
B適切に包装している
C品温をマイナス18℃以下で管理している
 この4つの条件を満たしているものが冷凍食品と言えるのです。
 @は野菜であれば洗って切り、下茹で(変質防止のため)し、魚であれば、洗って下ろして、切り身にしたり衣を付けたり。調理品は加熱すればすぐ食べられる状態に作ってあります。実は家庭の台所でしていることを皆さんに代わって工場で行っているのです。A冷凍食品工場ではマイナス30℃〜マイナス40℃の低温で急速冷凍させます。氷の結晶ができるマイナス1℃〜マイナス5℃位の温度帯を短時間で通過させることで、食品の細胞が損なわれたり野菜のビタミンなどの栄養素が減る影響が少ないのです。だからとれたて作りたての栄養や風味を保つことができます。家庭の冷凍庫ではマイナス18℃位でゆっくり凍っていく(緩慢凍結)ので食品の組織が損なわれてしまうのです。Bのパッケージには大切な表示(アレルギー品目など)と調理方法が記載されています。書いてある通りに解凍・調理することが美味しく食べる秘訣です。そして最後に重要なのはCの温度管理です。マイナス18℃以下で購入・保存することも品質を保つポイント。冷凍食品の購入後は温度変化をできる限り起こさせないよう、日常の冷凍庫の開閉も素早く行いましょう。常にマイナス18℃以下!これが冷凍食品の命の温度なのです。

今年は冷凍食品100周年

 日本の食品冷凍は魚から始まりました。時は1920年、北海道の森町には今でも「冷凍食品発祥の碑」が建っています。ちょうど今年が100年目にあたります。1954年に「学校給食法」が制定され、全国の子ども達が冷凍コロッケや冷凍フィレ(白身魚と野菜を刻みスティック状にしたもの)を学校給食で食べるようになりました。
 東京オリンピック開催の前年、1963年に選手村食堂の試食会で冷凍食品の採用が決まり、後の1970年の大阪万博では、さらに大量調理品として冷凍食品が大活躍!電子レンジ対応のコロッケが1994年に開発され、朝、お弁当箱に入れれば昼には食べごろの「自然解凍の冷凍食品」(※)が1999年に発売されるとその便利さに誰もが驚きました。
 また、高齢社会のニーズに対応したのが1998年の「骨なし魚」シリーズ(業務用)です。医療・介護分野など高齢者施設での給食需要に対応するため、咀嚼力や嚥下力が低下した高齢者向けのソフト食に応えた商品としてとても重宝されています。

※自然解凍品:35℃で9時間放置しても衛生上問題ない基準(厳格な微生物管理)をクリアしたもの(ただし保冷材の代わりではない)

手抜きではなく手間抜き

 「個食」「孤食」「小食」などと言われている現代の食。まさしくそんな食に対応してきたのが冷凍食品です。家族構成、食の嗜好、食事時間が如何なる場合でも対応できる、柔軟性ある食品と言えます。また、食べたい分だけ食べて保存ができるので無駄がありません。
 気になる食中毒や衛生面でも、凍ったまま調理する冷凍食品はとても衛生的なので、学校や病院の給食でも採用されています。ホテルのバイキングメニューや食べ放題が実施できるのも「安定価格・安定供給」で商品の提供が可能な冷凍食品があればこそ。日常食からコース料理まで全て満たすことができるのです。
 とはいえ、冷凍食品を使う時、いまだにある「手抜き感」や「後ろめたさ」はいつ解消できるのでしょうか。子育て中や介護をしている方にとって、毎回の食事の負担がどれほどか。冷凍食品は「手抜きではなく手間抜き」。下ごしらえの手間がなくなるだけで、時間の余裕と心のゆとりが持て、家族や自分の貴重な時間が増やせます。その空いた時間で、手作りするメニューを増やすことや子どもの目を見て話すこともできるでしょう。介護する側も限られた時間の中で栄養バランスを考慮した食事をしてもらいたい、冷凍食品を使うことで、お腹だけでなく心まで満足してもらいたいのです。
 後ろめたさや手抜き感を持たずに、バラエティ豊かで美味しい冷凍食品を、まずは売り場に行って見てください!きっと食卓が変わります。


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