522号(20年2月)

意見発表「北方領土への思い」

富山県入善町連合婦人会
佐原真知子

今後の役割など表明した佐原真知子さん

 私は、婦人会の活動を通して、北方領土返還要求県大会に参加し署名活動をしたり、全地婦連で進める歯舞昆布の普及に家庭でも取り組んだりしています。
 私が町内で漁業を営む夫のもとへ嫁いだのは、今から45年前、昭和50年のことです。漁の時期には、基地のある根室市に何度も同行していました。納沙布岬に出かけた際には、すぐ目の前にある島へ行けないもどかしさを感じたものでした。
 私が住む富山県入善町では、大正5年から全部で56軒、353人が、歯舞群島の志発島へ渡りました。私の夫の家は、大正15年に、家族8人で、志発島東部の植別に住み始めました。
 義父母や地区の元島民の方の話によると、島での仕事は大変ながらも稼ぎはよく、家が一軒すぐ建つほどだったそうです。漁の仕事は早朝の天気と海の様子を見て船を出す毎日で、昆布を干す作業を担当する浜辺の方では、いつ来るかわからない濃霧の発生や雨との勝負で、早く干さないと商品としての価値が落ちるため、学校帰りの子どもたちも加わって総動員で作業をしたそうです。
 天気のよい休みには、女の子は一面に咲きほこる花々の中で花の蜜を吸ったり、野イチゴを見つけたりして遊び、男の子は、干潮で干あがった岩場で、花咲ガニを捕まえて家に持ち帰り、皆で食べたそうです。月は銀色に光り、それがとても美しく、未だに懐かしく忘れられない思い出だそうです。
 笑顔で話してくださる皆さんのお話を聞くたびに「島に戻りたい」という強い想いを感じ愛しく思います。私自身も「島へ行ってみたい」という思いがつのってきました。
 北方領土は我が国固有の領土です。今後は、一日も早く「日露平和条約」を交わし、4島が早期返還されることを強く望んでいます。
 そして、一人でも多くの方の関心を高めるため、千島歯舞諸島居住者連盟をはじめ、各団体の皆様方とともに大会や署名活動、パネル展示、語り部の方々の後援活動等を行うことを通して、私も返還実現まで、この思い、声を伝えていきたいと思っています。

→北方領土問題