520号(19年12月)

2019年度全地婦連幹部研修会

東京・国立オリンピック記念青少年総合センター
全国から100人余が参加


 11月19日、東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで2019年度全地婦連幹部研修会が開催され、今年も全国から理事・役員・事務局100人余が参集。講演会では「北方領土問題」と、消費税増税で取り扱いが増えている「電子マネー」について興味深く学びました。講演会後は各ブロック毎にテーマ討議が行われました。

山田吉彦さん
北方領土問題を学ぶ(11月19日、幹部研修会)

■講演1
海から考える北方領土返還運動
東海大学海洋学部静岡キャンパス長
山田 吉彦さん

 来年度から学習指導要領に「領土領海」の問題を入れることになりました。日本という国は四方を海に囲まれています。領土領海を守る「主権」、主権とは国家の統治権、他国の支配を受けない独立性をいいます。
 富山を中心にアジアを逆さに見ると日本の立ち位置がわかります。中国の対アメリカ輸出の99%は船を使います。東シナ海から対馬海峡を横切って日本海に入り、津軽海峡から太平洋に出ていく。日本海が荒れれば鹿児島の大隅海峡を通り太平洋へ。石油、鉄鉱石は宮古水道から入ってくる。中国にとって日本の海域は非常に重要です。
 極東開発に力をいれるロシアにとっても日本の立ち位置は同じ。ロシア経済は石油と天然ガスでもっています。石油開発の先進国ですがなかなか採算がとれていません。じつは石油価格の乱高下は意図的につくられることが多く、石油に依存していると中東諸国、アメリカに振り回されてしまいます。そこで、極東の天然ガスは日本に買ってもらいたい、極東開発には重機、原材料などを船で運ぶため日本海の重要性は増しており、日本との友好関係は非常に大事です。
 日本の海には海底資源が豊富です。100年分をはるかに超える量のメタンハイドレードが発見され、粛々とメタンガスを掘る実験や技術開発を進めています。実験が成功したのは南海トラフといわれる静岡、愛知、三重、和歌山の沖合、水深1100Mのさらに地下に掘っていきます。また、海底から水に溶けた鉱石を取り上げる実験にも成功しており、日本の近海には他にも魅力的な海底資源がたくさん眠っているのです。
 最近、北方四島のロシア化が進んでいるといわれますが、実際にはとっくにロシアの支配下におかれています。国後島に関しては、離島政策として徹底した子育て環境が整っており幼稚園、学校が配置され、待機児童ゼロを実現しています。住居手当あり、給与は公務員の1・8倍。ITの条件も本土と変わらないので若い人たちも増えています。健康面では根室でのがん検診が今の流行りだとか。今後、国後はますます日本に近づいてくる可能性があります。例えば言葉の問題も人工知能を使えばクリアできるでしょう。これから重要なことは、正しい日本語を教えること、多くの本を読んでもらうことだと考えています。
 政府が進める共同経済活動では、観光、風力発電、海産物の養殖、温室野菜栽培、ゴミの減容対策などすぐにでもやり得ることばかりです。まずは、北方四島を日本化していけば、離島という概念から実質的に連携した社会づくりができるのではないでしょうか。ついでに、国後島に倣って根室も徹底した子育ての町にしてしまう。そのようなことができれば地域振興にもつながります。
 そして日本の経済力、豊かな国民性、やさしい気持ちを北方四島のロシア人に伝えていきたい。その意味でのビザなし交流は重要なツールの1つだと考えています。共同開発活動が活発になることで北方領土問題も進んでいくと私は考えています。

■講演2
電子マネーやキャッシュレス決済に関するしくみや注意点
一般社団法人ECネットワーク理事
原田 由里さん

原田由里さん
 消費税増税にともないリアル店舗でもキャッシュレス決済が増えてきました。ポイント還元キャンペーンなどはとても魅力的ですが、気づかないうちにトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。多様化する支払い手段をきちんと理解し、自分にあったサービスを選択することが大切です。
 はじめに「〇〇Pay」などのスマホ決済について、はじめるときのポイントは6つです。
@加盟店の数
A加盟店に日常使う店が多いか
Bすでに加入しているサービスとの連携
C補償の有無・条件
D事業者への連絡方法
Eヘルプの充実度合い
 とくに注意したいのはCDE。例えば勝手に悪用され被害にあった場合に補償があるかないか。法的には義務付けされていません。全額補償や上限がある、一切補償しないなど各社ごとに違います。また、問い合わせ先の明記がなく連絡さえ取れないところもあります。万が一、連絡ができなくてもヘルプで解決できる場合もありますので、この充実の度合いもあらかじめ確認しておくことが大切です。
 次に電子マネーについて。これはお金と違って目に見えない「電子データ」の形になっているもので外見上は数字しか分かりません。このデータ上にお金をチャージして使用します。激安チケットショップやネットショップなどの正規ルートでないところでは買わないようにしましょう。
 この電子マネーは詐欺に使われることがよくあります。企業のツイッターにアカウントして何かつぶやくと抽選でプレゼントがもらえるといった内容で、応募者に個人情報を登録させ、後日、メールや不正請求をするフィッシング詐欺などです。チャージした番号を他人に教えたら取り戻せません。ただし、番号の履歴が残るのですぐに対処すれば凍結ができます。
 その他にもネット広告や仮想通貨など、世の中にはもうけ話があふれていますが、そんなうまい話はありません。常にリスクを考え、支払い方法については日頃から意識し、理解を深めておくことが大切です。

■ブロック討議

 ブロック討議は次の3つの内容で進められました。
@ブロック分けについて
A来年度選挙管理委員の人選
B全国大会を毎年開催することについて

 @各ブロックは現状のままで良いという意見が多く出されました。四国ブロックは4県しかなく、ブロック会議も4年に1回廻ってくるので、2年に1度の開催でもいいか今後の検討事項にするといった報告がありました。
 A各ブロック選挙管理委員の選出が行われました。
 B現在第71回大会まで決まっている全国研究大会を、開催県の負担増、資金不足などの理由で、今後2年に1度にしたらどうかという意見もあり、話し合いのテーマにしました。
 ブロック代表からは、毎年、全国各地で行う意義は大きい。各地域を知り見聞を広めることができる。全国の方々に会える、学べるという全地婦連ならではの良さがある。全地婦連は47都道府県あるから今でも全国規模の一番大きな団体。一堂に会するのは良いことなので、身丈にあわせた形で毎年開催したいなど、毎年開催に意欲的な意見が数多く出されました。

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