512号(19年4月)

健康カフェ「本当に怖い?感染症のリアルな話」(全国婦人会館)

 3月29日、全国婦人会館主催の第10回健康カフェが開催され、15人が参加しました。「本当に怖い?感染症のリアルな話」と題して、神戸大学大学院感染治療学分野教授岩田健太郎さんにお話を伺いました。

岩田健太郎教授
感染経路は必ずある

 感染症は「微生物が身体に入って起こる」、「感染経路が必ずある」、「感染経路を遮断することで予防できる」ものです。
 中世から近代までは、病気があることは知っていても、なぜ起こるかは解りませんでした。
 蚊が媒介した原虫によって高熱を出し、黄疸が起こり、死者も多く出すマラリアは「空気が悪くなる」から、咳やくしゃみによって飛んできたウイルスを吸い込むことによってかかるインフルエンザは「星の影響」によるもの…と信じられていた時代がありました。しかし、18世紀には顕微鏡の発明によって、何故起こるのかが解明されてきました。
 日本人はマスクが好きですが、マスクにはほぼ予防効果はありません。自分が病気にかかって人にうつさないという点では効果がありますが、ウイルスを完全に遮断できないからです。同様に空気清浄機も風邪の予防という点では意味がありません。

正しい知識が感染を防ぐ

 感染症対策には、正しい知識による対応が重要で、例えば、災害時の避難所でインフルエンザに罹患した人がいても、2メートル離せば感染を防げるという知識があれば、階段下に移動していただくことで他の人への感染を防ぐことが出来ます。
 感染症の予防効果が高いのは予防接種です。しかし、日本の定期接種制度では予防接種スケジュールに沿って対象年齢の人のみが公費負担で受けられる仕組みのため、その時期に予防接種を受けられない人が大勢おり、その結果免疫のない人が多く、麻疹(はしか)、風疹等が大流行することがしばしば起こっています。

海外から運ばれる感染症対策も必要

 また日本脳炎を例にとると、現在蚊を媒体にして感染するウイルスは日本にはいませんが、日本人の渡航や海外からの来日客により外から運ばれてきています。今後、オリンピックや海外からの人材雇用などで、日本に外国人が大勢やって来ることが予測されるので、有効な感染症対策を講じることが必要です―と話されました。

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