511号(19年3月)

健康カフェ「正しい免疫療法とは」「がんになっても楽しく暮らすコツ」(全国婦人会館)

 全国婦人会館の公益事業「健康カフェ」が、1月17日と2月26日に開催されました

第8回健康カフェ
免疫療法って知ってますか?
 正しい免疫療法とは

講師=日本医科大学武蔵小杉病院 教授・腫瘍内科医 勝俣範之さん


勝俣範之さん
 2018年10月の京都大学本庶佑特別教授のノーベル賞受賞以降、「免疫療法」の言葉がマスコミなどで多く取り上げられています。
 これを機会に「免疫療法」について、正しい知識や情報の選び方について、健康カフェ2回目の登場となる勝俣さんに聴きました。
 「免疫療法」とは、免疫本来の力を回復させることによってがんを治療する方法です。本庶さんの研究から開発された、がん治療薬ニボルマブ(商品名オプジーボ)は、体内の免疫(T細胞など)の活性化を持続(がん細胞が免疫から逃れるためのチェックポイント・シグナルPD―1を抑制し、免疫によるがん細胞への攻撃にブレーキがかかるのを防ぐ)する薬です。
 がん免疫療法は幅広く、そのうち科学的根拠があり効果が立証されているものは、免疫チェックポイント阻害剤(保険承認は6剤)、キメラ抗原受容体T細胞(CAR―T)療法(承認待ち、血液腫瘍対象)と数は少なく、その上適応するがんの種類は限られており、投与できる施設も限定されています。また、副作用がでることも確認されており、誰でも使える夢の治療薬ではありません。
 残念ながら「免疫療法」といっても、ほとんどの免疫療法は有効性が認められていません。インターネットの広告などに出てくる「免疫療法」には、科学的根拠もなく効果が立証されていないものが多く、また使い方も適正でないものがあり慎重な確認が必要です。
 怪しい医療を見分けるコツとして、「がんが治る、消えるという謳い文句」「保険が効かない自由診療」「体験談が掲載されている」には十分注意してくださいと、勝俣さんは話されました。
 1月17日に開催され、26人が参加しました。

講師資料より

第9回健康カフェ
がんになっても楽しく暮らすコツ
 主治医や人との接し方
 病気との向き合い方
 おしゃれも忘れないライフスタイル

講師=がん研究会有明病院婦人科 副部長 宇津木久仁子さん


宇津木久仁子さん
 講師の宇津木さんは、がん研究会有明病院に勤務され婦人科一筋25年。
 診療の傍ら、抗がん剤治療中の患者さんをサポートする「帽子クラブ」を1999年に立ち上げ、のべ2000人が利用しています。また「リンパ浮腫治療室」は2009年から開設し、現在年間5000人が通院しています。これまで多くの患者さんと関わってこられた経験や、院内の接遇委員長の立場から、医療者との接し方、周りの人との接し方など、本人や家族が病気になっても日々の暮らしや生活を楽しむヒントを話していただきました。

人との接し方

 挨拶と返事が人間関係の基本であり、すべては会話から始まります。印象の悪い言葉を使わずに、言い換えることでお互いに気持ちよくなれます。大人としての品格を保つことが大事です。

医師との接し方

 医師も人間です。もちろん相性もあります。最初から猜疑心をもつのは感じがよくありません。録音・ビデオ撮影も構いませんが、許可を得てからにしてください。

前向きに過ごそう

 過ぎたことを悔やんでも何もはじまらないのです。時間が解決することはたくさんあります。

治療は自分のためのもの

 疑問や不安があったら、主治医に伝えましょう。医師は医学的判断で、一番よい治療法を提案します。「自分のための治療」ですから、医師に強制されて決めるものではありません。拒否してもよいのです。
 楽しく過ごせないのであれば、抗がん剤治療を中止することも、主治医と相談しながら判断してよいのです。

おしゃれを楽しみましょう

 好きな色の服を着たり、お化粧をしたり、診察や入院中でも、眉とリップを添えることは大丈夫です。
 無理はしない、自分を大切に思ってくれる人がとても大事ですと、宇津木さんは締めくくられました。
 2月26日に開催され15人が参加しました

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