508号(18年12月)

2018年度全地婦連幹部研修会

北方領土を学ぶ=11月28日、幹部研修会

 11月28日、東京代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで、2018年度全地婦連幹部研修会が開催され、全国から100人余が参集しました。今年は、北方領土問題とSDGs(持続可能な開発目標)・エシカル消費を学び、今年度のブロック会議のテーマ「これからの地域婦人団体のあり方」に基づき、各ブロックの代表から地域の取り組みについて発表がありました。

日露交渉と共同経済活動について〜戦略と課題
NHK解説委員 石川一洋さん

石川一洋さん
 現在の四島の状況ですが、国後島にはロシア人が約7800人住み、幼稚園やスポーツ施設なども整備され、四島で最も人口が多い島です。択捉島には約5900人、ロシア有数の水産会社が支配する島です。色丹島には約3000人、鮭の孵化場が整備され水産事業が盛んです。また東洋の箱庭と称された植物の宝庫でもあります。歯舞群島に居住者はいません。
 環境保護と経済活動の両立が図れないものかと非公式な有志の集まりである「北方領土研究会」では、平和条約につながる日ロ共同経済活動の具体的な活動分野について@観光事業と自然保護A海洋資源の保護と持続的な漁業B地域開発(共同経済活動の推進)、隣接地域と島がウインウインの関係となるようになど、論議がされています。
 11月のシンガポールの日ロ首脳会談で安倍首相とプーチン大統領は、「平和条約締結後に歯舞・色丹の二島の引き渡し」を明示した1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速化することで合意しました。終戦時には1万7000人いた元島民の方が今では5000人、平均年齢は83を超え、高齢化が進んでいます。
 返還交渉の外交を進めるうえで、100%の満足とはいかないが、未来の姿を描きながら、両国の指導者は提示する必要があると考えます。
 日ロ両国の争いのもとだった北方四島を、日ロ両国をつなげていく四島と変えることが重要です。

はじめまして!エシカル消費 私たちの買い物が世界と未来を変える
四国大学短期大学部教授 加渡いづみさん

加渡いづみさん
 あなたは商品を買うとき、@価格A品質や安全性B社会や地域への貢献度のうち何を優先して選んでいますか。
 必ず今日食べることが決まっている豆腐をスーパーに買いに行ったとき、売り場に並んだ豆腐をどこから選んでいますか。棚の奥にある消費期限が先の商品を選んでいませんか。みんなが奥から選ぶと、期限の短い手前のものはすぐ廃棄処分になります。国連の食糧支援は年間320万トンですが、平成27年に、食べられるのに食べない日本の食品ロスは647万トンでした。
 買い物をするとき、環境に配慮された商品を買う、人や動物の幸せを考えて作られた商品を選ぶ、地元を元気にする地産地消や被災地の応援をするなどの「地域」を意識して消費すること、これらはすべて「エシカル消費」と呼びます。消費行動は消費者の意思表示であり、「買う」という支持の1票を投じることができます。それは事業活動や商品開発・製造を変えるエネルギーとなります。
 2030年までに先進国も途上国もともに取り組むSDGs(持続可能な開発目標)17のうち12には「つくる責任つかう責任」があります。買い物で自分が満足するだけでなく、自分の買い物によって、誰かの、どこかの、未来のためになるお金の使い方、商品の選び方も大切なのです。
 私たちは生まれてから死ぬまで消費者であり、社会の課題の解決に参画することが求められています。どこの国のどんな人が作っているか、その商品の背景やストーリーを知る、自分の消費行動の背景と影響を知ることが大切です。
 決してエシカル商品を買わなくてはいけないのではありません。できるところから少しずつ始めていきましょう。

新次元の「消費者行政・消費者教育」の展開
徳島県危機管理部 消費者くらし安全局次長 小椋昇明さん

小椋昇明さん
 徳島県へ消費者庁等の全面移転実現に向けて、”挙県一致”で推進しています。徳島県ではインターネット環境が充実し、モバイルワーク、テレワークが進んでいます。
 全国に先駆けた消費者行政・消費者教育の取り組みとして、幼稚園から小中学校、高校に至るまで、それぞれの年代に応じた消費者教育を実践しています。指定校の高校生はオーガニックやフェアトレードなどのエシカル消費についても学んでいます。
 事業者が自社の取り組みを消費者や社会に対して広く発信をする機会にもなる消費者志向自主宣言は、今年の10月末現在、全国で97事業者、徳島県では26事業者となりました。大企業だけでなく、地方にある企業こそ取り組むべきと考えます。
 新次元の消費者行政・消費者教育の定着に向けて、成年年齢の引き下げによる若年層への消費者教育が必要です。徳島県では県内すべての高校1年生を対象に授業を実施しています。
 高齢者や障がい者の見守りネットワークとして、平成29年には県内すべての市町村に消費生活センターを設置しました。また、子どもの事故防止を目的に啓発絵本を作成しました。
 これらの活動は徳島県さえよければよいということではなく、徳島県から四国4県、中国地方、さらに関西地方へと広げ、徳島モデルの消費者行政と消費者教育を全国に拡大しています。

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