507号(18年11月)

第66回全国地域婦人団体研究大会(岐阜県)

岐阜市に1600人が集う

全国地域婦人団体研究大会in ぎふ

 10月4・5日、第66回全国地域婦人団体研究大会が、岐阜県岐阜市で開催されました。「清流の国ぎふ日本の真ん中で話そうつながろう伝えよう」をテーマに、会場の長良川国際会議場には全国から約1600人が参集しました。初日には5つの分科会にフィールドワークと懇親会、2日目は全体会に続いて、NHKの大河ドラマなどで多くの時代考証や歴史番組の解説をされている、小和田哲男静岡大学名誉教授の「美濃戦国史の魅力―信長から関ヶ原」と題した記念講演がありました。

【1日目】

第1分科会【高齢社会】

@支え合いで地域もヒトも元気になる…その秘訣は?
 岐阜大学名誉教授
 小林月子さん
 住み慣れた町で暮らし続けるために大垣市内では、教育・訓練を受けた地域のサポーターが介護のプロと連携し、介護保険では利用できないサービスのお手伝いをしています。人のためにと思ってはじめたライフサポート活動は、「明日の自分のため」になっています。

Aアンチエイジングで輝こう
 日本産婦人科医会女性保健委員
 宮ア千恵さん
 男性と女性の体はまったく違うもの、骨粗しょう症は女性に多い。更年期症状のヘルスケアを早くはじめると、骨折による寝たきりを防ぐなど女性の健康寿命に大きく関わり、日本の医療費削減にも寄与します。何より定期的な健診の受診が大切です。

第2分科会【防災】

 女性が取り組む地域の災害危険チェックと改善
 岐阜大学地域減災研究センター
 村岡治道さん
 本来の「防災」は起きた後にどうしたらよいかではなく、起きる前にどうすればよいのかを考えておくことです。明るいうちの避難が大切で、「もう少し」「まだ大丈夫」で、避難し遅れないこと。避難ルート上の近隣の危険個所をあらかじめ発見して、対策を講じておくことがわが家の防災、地域防災の第一歩です。地元の婦人会や自治会でも見直してください。

第3分科会【女性の活躍と男女共同参画】

@男女共同参画社会の地域づくり
 大垣市男女共同参画推進連絡協議会
 度会さち子さん
 大垣市男女共同参画フォーラムはネットワークを広げ、少子高齢化の中で助け合いと支え合いの意識醸成の機会となっています。女性の活躍は若い世代の労働力だけではありません。学び合い、教え合い、つなぎ合って、婦人会が作り上げてきた強みをもっと生かしていきましょう。

A岐阜県女性の活躍支援センター・男女共同参画プラザの取組について
 岐阜県女性の活躍支援センター
 原永子さん
 センターとプラザの機能、再就職支援の取り組み、各種講座や相談業務の内容などの取り組みについて話されました。

第4分科会【環境】

@森と人とのつながりから見た地域社会の担い手
 NPO法人森のなりわい研究所
 伊藤栄一さん
 岐阜県は森林率(森林面積の割合)が高知県に次いで全国第2位です。森は木が生えてさえいればよいものではなく手入れが重要です。若い木を育て新しい森をつくる、木を伐採して使う消費行動も大切です。

A流域水環境保全における森林と家庭の役割
 岐阜大学
 篠田成郎さん
 かつて長良川でアユが減った原因を調査した結果、上流域の森林の管理不足も一つの起因と考えられました。放置された人工林と適正に管理された人工林の森では土に大きな違いがあり、土を見ると森林の善し悪しが分かります。森林は地域の公的資源であり、活用することこそが地域活性化へつながるのです。

第5分科会【歴史】

@歴史遺産を活かしたまちづくり
 岐阜市教育委員会
 鳥本浩平さん
 軍事施設でありながら 岐阜城内外の眺望や長良川での鵜飼見物による接待など、「信長のおもてなし」は世界の賓客をも魅了しました。その信長のおもてなしの心は今も受け継がれ、日本遺産認定(平成27年)をきっかけに、岐阜市の新たなまちづくりにますます生かされています。

A大垣の文化的環境
 大垣市奥の細道むすびの地記念館
 山ア和真さん

 大垣は城下町・宿場町・港町であったため、古くから交通の要衝として新しい文化があふれ、俳諧に留まらず詩文や書画も盛んでした。松尾芭蕉が大垣を、「奥の細道のむすびの地」としたのも、俳諧精神を深く理解する優秀な大垣の俳人たちと生涯にわたった交流があったからです。
 この大垣の文化的環境を背景に、江戸時代後期から明治初年にかけて、江馬細香、梁川紅蘭といった女性文人画家が活躍しました。

【懇親会】

お見舞金の目録を手渡す岩田会長(右)
 分科会の後は会場を岐阜都ホテルに移し、懇親会が開かれました。岐阜県選出の野田聖子衆議院議員も出席され、祝辞をいただきました。
 また、全地婦連で呼びかけた西日本豪雨災害への募金を、被害の大きかった広島・岡山・島根・愛媛の4県の地婦連へ、また、9月6日に発生した北海道胆振東部地震のお見舞金として全地婦連から北海道女連へ、それぞれ200万円の目録を、各道県会長へお渡ししました。
野田聖子衆議院議員

【2日目】

 オープニングは、県立岐阜商業高等学校吹奏楽部の明るく元気な演奏で開会しました。全地婦連岩田繁子会長は、「組織の活性化に際し、先人の志に思いをはせ、地方組織再生の道筋を全国に発信しましょう」と挨拶しました。
 続いて来賓の内閣府岡本義朗大臣官房審議官、文部科学省生涯学習政策局三好圭男女共同参画学習課長、厚生労働省雇用環境・均等局岡英範雇用機会均等課長、岐阜県女性の活躍推進課長屋秀樹課長、柴橋正直岐阜市長から祝辞をいただきました。
 大会宣言と8項目の決議を採択し、次年度開催の青森県地域婦人団体連合会の皆さんが「北のまほろばなんでもおいしい青森県へまってるよ」と参加者へ呼びかけ、閉会しました。

【記念講演】

講師の小和田哲男さん
 1973年のNHK大河ドラマは司馬遼太郎原作「国盗り物語」で、織田信長の義父斎藤道三は、修行僧から油売り、戦国大名へという「三変化」が描かれましたが、現在では、油売りだったのは道三の父親で、国盗りは二代がかりだったといわれています。歴史は新しい資料が出てくると書きかえられ、その説が正しいかどうか、研究者は吟味していかなければなりません。
 「本能寺の変」は従来、信長の明智光秀に対するパワハラによる怨恨説がいわれていました。他に、光秀にも天下を取りたかった野望説、朝廷が光秀をそそのかした朝廷黒幕説など諸説ありますが、光秀は信長の暴走を止めたかったのではないかと私は考えています。いずれにしても「本能寺の変」は簡単に答えの出ない、日本史最大のミステリーです。美濃戦国史は謎だらけで、研究は尽きません。



宣言

 私たち、全国地域婦人団体連絡協議会会員は、ここ岐阜県岐阜市に集い、「清流の国ぎふ日本の真ん中で話そうつながろう伝えよう」〜未来をつくる女性の力・婦人の輪〜をテーマに、第66回全国地域婦人団体研究大会を開催いたしました。

 これまで私たちは、婦人団体としての伝統と組織力を持ち、地域のあらゆる場面で提言・実践をし、地域社会づくりに貢献してまいりました。
 しかし、今、地球温暖化が原因の自然災害に見舞われ大きな被害を受けております。また、少子高齢化社会の中で虐待やいじめ等子どもを取り巻く環境が大きく変化し、命の大切さが失われる毎日です。このような状況下で、今大会の分科会において高齢社会・防災・女性の活躍と男女共同参画・環境・歴史について学び、意見を交換しました。私たちは、長い歴史と伝統ある本大会において、実りある成果を得ることができました。その成果を各県下地元に持ち帰り、今後の糧として新たな行動を起こすことを誓います。

 「全地婦連は、まさかの時の助け合い、地域に根ざした活動の輪を更に大きく、信頼、安心、笑顔でくらせる婦人会、今こそ婦人会」をモットーに、本研究大会で協議した成果を全国に発信し、諸問題の解決のために関係機関に提言し、未来に向けて安定した豊かな男女共同参画共生社会、持続可能な婦人会づくりに貢献することを宣言します。

2018年10月5日

第66回全国地域婦人団体研究大会



決議

1.男女共同参画社会の実現に向けて行動します。
 1999年に制定された男女共同参画社会基本法に加え、女性活躍推進法が2015年に制定されました。私たちは、すべての男女が平等であるべき社会の推進に努めてまいりました。障害の有無にかかわらず、積極的に参加・貢献していくことができる社会をつくることが大切です。男性の特性と役割、女性の特性と役割を活かし、差別はあってはならない社会、すべての人間が認め合い、支え合い、共に行動する共生社会を目指し、男女共同参画社会の実現に向けて活動します。

2.環境問題に積極的に取り組みます。
 大規模な自然災害が国内外ともに起きており、地球規模での環境対策が喫緊の課題となっています。
 私たちは、地球温暖化防止や自然災害等への備えなど、積極的に情報収集や学びを通して、全国の加盟団体で情報共有をし、グローバルな視野を持ち、ローカルで実践活動をする地域女性団体として、持続可能な社会の構築を目指して活動します。

3.食の安全・消費者問題について学習し、行動します。
 日本の食糧自給率は38%と先進国では最低のレベルです。私たちは地産地消や食育に取り組み、ユネスコ世界無形文化遺産に登録された和食―日本の伝統的な食文化を普及させる活動に取り組みます。
 また、高齢者やインターネット関連の消費者問題は増加の一途をたどっています。
 私たちは暮らしの中での気づきを大切にして、安心・安全な社会を目指して、消費者問題の防止に向けて積極的に発信し、消費者行政・政策への反映を図る取り組みをします。

4.子どもたちが安心して、こころ豊かに育つことができる環境づくりを目指します。
 子どもたちを取り巻く環境は少子化の進展や児童虐待、貧困など課題が山積しています。平成27年4月には新しい子ども・子育て支援制度が始まり、次代の社会を担う子ども一人ひとりの育ちを社会全体で応援し、安心して子育てができる環境整備が法律で実施されるようになりました。
 私たちは、子どもたちの健やかな成長に向け、地域の力を強める取り組みをします。

5.福祉・健康問題について地域活動を推進します。
 4人に1人が高齢者となる社会は目前にせまり、社会保障関連費は増加し、給付の効率化や公平な負担などが求められています。また、地域包括ケア等への積極的な婦人会の役割発揮が期待されています。
 私たちは、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる社会の実現を求め、生涯を通じた女性の健康と命を守る活動を進めます。また、受動喫煙防止策の強化を強く求めてまいります。

6.平和な社会を守ります。
 「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」には全国から32万筆余の署名が集まりました。国連の核兵器禁止条約交渉国際会議では、「核兵器禁止条約」が採択されました。この条約の批准を日本政府に強く求めることが、私たち、唯一の被爆国の国民としての使命です。
 私たちは、日本が二度と戦争をしない、夫や子どもを戦場におくらないとの強い決意を持って、平和運動を続けてまいります。

7.北方領土返還要求運動を進めます。
 北方領土がロシアに不法占拠されてから73年の年月が経ちました。
 私たちは諦めることなく四島一括返還を求めて活動し、政府の領土交渉を後押しする運動を進めます。

8.防災・減災の活動に取り組みます。
 東日本大震災や熊本地震、各地の水害からの真の復興のため、国民全体での取り組みの継続強化と、復興を支える地域コミュニティの再生に、くらしの視点から声を挙げ、積極的に防災や減災に取り組みます。

2018年10月5日

第66回全国地域婦人団体研究大会


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