505号(18年9月)

領土・主権展示館のご案内

 竹島や尖閣諸島がわが国固有の領土であることを示し、歴史的資料や人々の営みを示す資料をまとめて紹介する「領土・主権展示館」は、初めての国の施設です。日本の立場についての正確な理解が浸透するよう、内外発信の拠点として、平成30年1月に東京都千代田区の日比谷公園内に開館しました。

 8月4日には「長久保赤水(ながくぼ・せきすい)展」のギャラリートークが行われました。江戸時代の庶民にとっての日本地図とは、伊能忠敬が作った「大日本沿海輿地全図(伊能図)」ではなく、実は長久保赤水が作った「赤水図」であったことはあまり知られていません。
 赤水は、約300年前の1717(享保2)年、現在の茨城県高萩市に生を受けました。農民出身の赤水は、儒学、地理学、天文学を学び、長年考証を重ね、1779(安永8)年、63歳のときに「改正日本輿地路程全図(赤水図)」を完成させました。
 幕府の命を受け、実測して制作された伊能図はあまりにも詳細な地図であったため、国防上の問題から幕府が流布を禁じ、秘蔵され、一般の目に触れることはありませんでした。一方、赤水図は版を重ね、信頼できる地図の定番として広く普及しました。
 伊能図とのいちばんの違いは、実測せず伝聞情報のみで仕上げたところです。にもかかわらず、それまでの流宣図に代表される絵画的な地図とは一線を画した「縮尺のある」地図だったのが特長で、緯線・経線があるところも画期的でした。何よりこの赤水図は、伊能図より42年も前に作られているのです。
 日本海に浮かぶ竹島は、島根県に属する日本の領土ですが、韓国も領有権を主張し、1950年代から韓国による不法占拠の状態が続いています。
 日本政府は韓国に抗議するとともに、国際社会に対し日本の領有権を主張し、竹島が古くから日本の領土であるさまざまな証拠を提示していますが、その一つがこの赤水図です。赤水図には竹島(当時の呼称は松島)が明確に記され、当時の日本で竹島が広く認知されていたことを示すものとなっています。
 「領土・主権展示館」は、竹島、尖閣諸島、一部北方領土の内容も展示されています。

→北方領土問題