501号(18年5月)

「エネルギー基本計画」改定に向けた情報共有学習会

 4月19日、全国消費者団体連絡会の運営会議において、エネルギー基本計画の見直しに向けた情勢共有学習会が東京・四谷の主婦会館プラザエフで開催されました。

講師の大野輝之さん
 エネルギー基本計画の改定についてのパブリックコメントの募集を近く控え、現在のエネルギー政策やエネルギー別の諸課題、2030年や2050年時点のエネルギー政策についての方向性、エネルギー問題に関する世界の動きなどについて、公益財団法人自然エネルギー財団の大野輝之さんを講師に学習しました。
 冒頭、自然エネルギー財団は、東日本大震災に伴う福島原子力発電所事故を受け、ソフトバンクグループ代表の孫正義氏が私財を投じて設立した財団だと紹介されました。
 経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会で2030年のエネルギーミックスの実現に向けたエネルギー基本計画の見直しが審議されています。エネルギーミックスとは、火力発電や水力発電、原子力発電に再生可能エネルギーなど、さまざまな手法の発電方法を組み合わせることをいい、エネルギーミックスを行うことで、安定的に電力の供給を維持する狙いがあります。
 2015年には風力発電、2017年には太陽光発電の設備容量(※)は原発を超えました。また、これまで原発の発電量は自然エネルギーを上回ったことはありません。その差は2000年代以降広がっており、現在、世界の自然エネルギー発電量は原発の約2倍です。
 世界的に見ると原子力産業は衰退が加速しています。自然エネルギーのコストが低下しているのに対し、原子力発電は高コスト化し、今後の大幅拡大は見込めません。
 このような進展は、既存の原子炉の老朽化が進み、現状の安全レベルでさえ保つことが難しくなることが考えられます。世界が自然エネルギーに向かっている中、日本では原発のコスト計算は安く試算されています。

エネルギー政策について意見募集中

 東日本大震災後2回目となる今回の基本計画見直しに向けて、原子力や再生可能エネルギーについては避けてはならない課題です。2017年新たに設置された「エネルギー情勢懇談会」では、2050年のエネルギー政策についての検討が進められており、ここでのとりまとめも見直しの参考にされます。
 一方、「エネルギー政策に関する意見箱」が資源エネルギー庁ホームページ内に設置され、エネルギー政策について幅広く国民が直接意見を表明できる機会が得られました。提出された意見は、基本政策分科会において、随時資料として配布され、議論の参考になるそうです。意見募集期間は、平成30年1月9日〜エネルギー基本計画のパブリックコメント実施日の前日までとなっています。

※設備容量=発電量ではなく、発電設備の最大能力の値をいいます。発電所が作ることのできる電気の量がどのくらいかを表示する時などに使われます。単位はWやkWなどで表します。

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