501号(18年5月)

サイトブロッキングに意見書提出

通信の秘密、表現の自由は憲法に守られた権利です

 4月13日、政府の知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議(本部長安倍晋三総理大臣)が、インターネット上のマンガ等の海賊版無料サイト対策として、指定したサイトへの通信接続を遮断するブロッキングに関する考え方の整理を発表しました。
 現在インターネット上には、発売と同時にコミックが掲載され、無料で読むことのできる、いわゆる海賊版サイトが存在します。本来、有料で購入して楽しむべき著作物が無料で閲覧できることで、著作権者等に大きな損害を与えているといわれています。そこで、問題のあるサイトを特定し、通信を遮断し、サイトを見ることができないようにするブロッキングの手法が検討されたわけです。
 海賊版サイトは決して許されるものではありませんが、立法等を行わず、通信事業者の自主的対応が可能であるとする大変に乱暴な手法がとられました。これが実現しますと、私たちがインターネットのさまざまなサイトを閲覧するたびに、該当サイトへのアクセスをしないかを通信事業者が見て判断するということになり、憲法で守られている通信の秘密を侵す行為となります。立法までの緊急措置という解釈ですが、これは法治国家としては許されない行為だと思います。
 児童ポルノのみ、児童への精神的肉体的影響が大きいことを理由に立法の上同種の手法が使われていますが、著作権者を守るためにこの手法を使用することには大きな問題があります。
 全地婦連では、政府がこの対策を検討しているという情報を入手し、政府の発表前日4月12日に反対の意見を表明しました。しかし、残念ながら13日に決定され公表されてしまいました。
 加えて、4月23日、NTTグループは、この決定に基づき、NTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社NTTドコモ、株式会社NTTぷららの3社が「準備が整い次第サイトブロッキングを実施する」と発表しました。この大変に残念な決定に対しても、即刻抗議の意見表明を行いました。
 この検討が政府内でのみ行われており、広く意見聴取もないことは今後に禍根を残すことになります。
 通信の秘密、表現の自由は憲法に守られた私たちの大事な権利です。また、被害の大きいサイトとして3サイトが特定されたことは、憲法で禁じられている検閲行為にあたります。
 かつて戦争中、表現の自由、通信の秘密を奪われた国民の経験を忘れることなく、敏感に今後の経緯を注視していきたいと思います。

▼ 各意見書はこちらからご覧いただけます。▼



「ブロッキング要請に関する意見書」を発表しました

NTTグループ「インターネット上の海賊版サイトに対するブロッキングの実施について」の意見書を発表しました


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