499号(18年3月)

食品安全委員会・豆腐の規格基準等で情報交換会

 2月21日、内閣府食品安全委員会において、「豆腐の規格基準」「硫酸アルミニウムアンモニウムと硫酸アルミニウムカリウム(いわゆるミョウバン)」をテーマに、消費者団体との情報交換会が行われました。

無菌充填豆腐

 食品安全委員会は、国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下、規制や指導等のリスク管理を行う関係行政機関から独立して、科学的知見に基づき客観的かつ中立公正にリスク評価を行う機関です。
 無菌充填豆腐は製造技術が格段に進歩し、常温でも安全に保存する技術が開発されていること、海外では常温品が流通し、健康被害の報告がないことなどから、無菌充填豆腐の規格基準の改正を検討していた厚生労働省が、食品安全委員会にリスク評価を依頼していたもので、1月に食品健康影響評価が終了しました。結論は、「無菌充填豆腐を冷蔵保存から常温にした場合のリスクに差があるとは考えられない」。
 豆腐は、1974(昭和49)年制定の規格基準で細菌汚染・増殖を防ぐため、移動販売などを除き、冷蔵での流通・保存が義務付けられました。
 当時定められた規格は、無菌状態で製造や包装ができる技術を持った現在でも適用され、国内で販売する場合は冷蔵しなければなりません。今後、規格基準の改正が整うと、十分に殺菌・除菌が行われ、適切な機器によって無菌状態で容器に入れた豆腐は、レトルト食品と同じように微生物の確認試験で陰性となれば、常温での保存・販売が認められるようになります。
 常温で流通している欧州等への輸出増加が見込まれますし、日本でも長期常温保存が可能となれば、災害時の非常用食品として備蓄でき、冷蔵保存にかけるコストやエネルギー資源の削減という効果も期待できます。
 基準が改正されても、無菌充填豆腐以外は今まで通りの保存が必要です。豆腐は常温で保存して大丈夫という誤解のないよう注意が必要です。

硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムカリウムの食品健康影響評価

 厚生労働省は平成23〜24年度に加工食品と生鮮食品からのアルミニウム摂取量の調査を行ったところ、アルミニウムの摂取量の平均値はすべての年代で許容量を下回っていましたが、穀類や菓子類を好んで摂取する小児(1〜6歳)は、許容量に対する摂取量の割合が特に大きいことが分かりました。
 そのため、小児のアルミニウムの摂取量への寄与が大きいと考えられるパン、菓子類への添加物「硫酸アルミニウムアンモニウム」および「硫酸アルミニウムカリウム」の使用基準の改正を検討。厚生労働省が、食品安全委員会にリスク評価を要請していたものです。
 アルミニウムは土壌、水、空気中のちりなど天然にも広範に存在し、土壌などから吸収されたアルミニウムが野菜、穀類、魚介類に微量に含まれます。また、地殻を構成する元素の中で、酸素、ケイ素に次いで3番目に多い元素です。アルミニウムは金属材料として調理器具等に、化合物として食品添加物や医薬品、水道水の浄化材等に使われています。
 硫酸アルミニウムカリウムと硫酸アルミニウムアンモニウムはいわゆるミョウバンとして知られています。ふくらし粉やベーキングパウダーは膨張剤として使用されますが、大部分のパンや菓子パンは、パン生地を膨張させるために「パン酵母」を使用しており、膨張剤は使用されていません。また、「膨張剤」と表示されていてもアルミニウムを含まないものもありますし、最近は「アルミフリー」「アルミ不使用」と明記した商品も増えています。
 また、ナスやシソなどの漬物製造時には色止め剤として、魚介類の甘露煮の煮崩れを防ぐためには形状安定剤として使用されます。さまざまな用途に使用されていますが、食品添加物使用基準には、「みそに使用してはならない」という規定のみでしたがそれぞれ、「使用量はアルミニウムとして、パン及び菓子にあたってはその1sにつき0.1g以下でなければならない」、と加えられることが提案されました。
 ヒトの知見から、食事経由のアルミニウムの摂取にかかる安全性の懸念を示す根拠はないと判断されましたが、動物実験では多量に投与した場合、腎臓や膀胱への影響が報告されています。食品添加物の安全性評価を行っているJECFAでは、人が一生摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される許容量として、1週間当たり体重1sにつき2rと提示しています。
 現在は関係業界団体でも対応が進み、食品添加物としてのアルミニウム使用量は低減化されていますが、アルミニウムはさまざまな食品に含まれており、完全に避けることは難しいものです。
 過剰な摂取は避けなくてはなりませんが、あまり神経質にならず日常生活で偏食をせずバランスのよい食生活を心がけましょう。

→環境・食生活