499号(18年3月)

電話網の円滑移行方策と将来の電話のユニバーサルサービスについて

 2月13日、四谷のプラザエフで、全国消費者団体連絡会運営会議の「電話網の円滑移行方策および将来の電話のユニバーサルサービスについて」と題した学習会が行われ、行政の取り組みとして総務省から、事業者の取り組みとしてNTTから説明をしていただきました。いずれひかり電話への全面移管も必要になることを考え、現行のユニバーサルサービス制度をどうしていくかについても意見交換が行われました。

全国消団連運営会議=2月13日

 家庭にある普通の固定電話(ひかり電話以外)を加入電話といいます。NTTは、加入電話の契約数等が減少し、2025年頃に中間交換機・信号交換機が維持限界を迎えること等を踏まえ、2015年11月、現在使用している公衆電話網をIP網に移行する構想を発表しました。
 NTT東西の固定電話回線数は、ピーク時の1997年から2017年度で6割以上減少しました。
 また、固定電話の通信回数・通信時間とも、2000年度から2016年度で9割以上が減少しています。固定電話市場は、事業者間の競争を促進する局面から、いかにコストをかけずにサービスを維持していくかという段階に移行しています。
 とはいえNTT東西の固定通信網は、日本の基幹的な通信インフラであり、現行の電気通信事業法のさまざまな制度の前提となっています。そこで、総務省情報通信審議会では「固定電話網の円滑な移行の在り方」について検討してきました。

悪質・強引な販売や勧誘には注意を

 2017年9月27日に最終形に向けた円滑な移行の在り方について第二次答申が出ましたので、今後、事業者による事前準備が進み、2024年1月には契約切り替えが一斉に行われる予定です。
 IP網への移行後も、既存のメタルケーブルを当面継続利用するため、市場環境が著しく変化しない限り、事務用・住宅用の固定電話の基本料は、現在の加入電話・INSネットの基本料と同額とする方針です。そして通話料は、距離に依存しないIP網の特性を活かし、固定電話への通話料は遠隔地でも一律3分8・5円(税抜)とする考えです。
 今回のIP移行は一般ユーザーにとって機器の交換や工事等の作業を必要とせず、電話番号もそのまま利用可能です。しかし、IP網移行に便乗した悪質業者が電話機の購入や別サービスへの加入を勧誘する事態は大いに予測できます。
 必要のない端末の購入や、切り替え工事が必要といった、強引な選択を迫る悪質な販売勧誘には、十分注意をしましょう。

ユニバーサルサービス制度とは

 電気通信サービスにおける「ユニバーサルサービス」とは、基礎的電気通信役務ともいい、「国民生活に不可欠であるため、あまねく日本全国における提供が確保されるべきもの」と電気通信事業法で定義されています。
 具体的には加入電話、公衆電話、緊急通報が該当します。これらは「ユニバーサルサービス」として、全国どこでも同じように利用できるよう、NTT東西に法律上の責務が課されています。
 NTTの負担によってユニバーサルサービスは維持されていましたが、携帯電話やIP電話の普及、電話サービスの競争が進展した結果、離島や山間部など利用者が少ない地域に関しては、NTT東西だけが負担を負うのは限界となりました。そこで、赤字部分の補てんにあてる費用の一部を、NTT東西だけでなく、それ以外の電話会社も応分に負担する仕組みとして導入されたのがユニバーサルサービス制度で、平成18年から運用されています。
 各電話会社の負担額は、それぞれの会社が使用する電話番号数によって決まります。番号単価(平成30年1月から1番号当たり2円/月)は、現在利用している電話会社が支払うものですが、ユニバーサルサービスを最終的に利用するのは「契約者」ということもあり、多くの電話会社ではこの費用は利用者に負担してもらう運用となっています。
 私たちの通信環境は、固定電話から携帯電話へ、またインターネット環境も光回線へ、無線環境も第5世代へと進化してきています。超高齢社会の中で、さまざまなサービスで情報通信の利用が進んできます。そんな中で、これからのユニバーサルサービスは何を対象にするのか、その場合、国民はどこまでその費用を負担できるのかについてあらためて考える必要があります。
 アナログ電話からメタルIP電話への移行の後には、それぞれの電話と電話局を結ぶ回線が全て光回線化されることになります。その時を見据えて、早めの議論の開始が必要であると、私たち消費者団体は主張してきています。
 意見交換では、「2円といわず、各個人がもう少し負担してもユニバーサルサービスは何としても維持してほしい」という意見も出ましたが、その範囲とその場合の負担額について、早めの情報提供を総務省やNTTに求めていかなければなりません。

→消費者問題・経済生活