499号(18年3月)

Rebornこころのふるさとフォーラム2018

オープニング=3月3日
テーマ別分科会=3月4日

今、あらためて考える 地域とは何か
講演=民俗研究家・結城登美雄さん

 結城さんは、「地域」とは「家族の集まり」と定義されました。ラテン語で家族はFamilia。「Family=Farmer」家族とは、一緒に耕し、一緒に食べる者たちと考えます。
 地域づくりは人間に向かい合うことが必要で、統計の数字だけでは見えないものがあります。人数だけでいうと人口は増えもしないし減りもしていないのです。地域で求められるニーズの変化に行政の施策は対応できていません。現場を見ないでいてはズレが生じます。
 現在、農業就労者は70歳以上が半数を占め、その人たちは自分の年金を元手に作物を作っています。農業労働の評価が低すぎることで、子育て世代は農業以外の仕事を求めていきます。次の世代の「食」は誰が支えるのでしょうか。
 よい地域には、@よい自然風土があるAよい仕事の場があるBよい住居環境があるCよい文化があるDよい仲間がいるEよい学びの場があるFよい行政があることです。
 農産物の直売所では、市場経済からはみ出した規格外、不ぞろいの農産物が販売され、全国では1兆円に迫る売り上げになっています。これまで価値がないと思われていたものが、現代では雇用も生み出しています。
 その土地には文化があり、まつりがあります。働いてお金を稼ぐだけが人生ではありません。食べる物が安定して食べられるように祈ることがまつりの始まりだったはずなのに、今、地方のまつりは参加者が減ったということばかりが話題になります。
 よい学校に進学すること、学校の知識を詰め込むことが学びの場ではありません。「知るために学ぶな、活かすために学べ」です。
 時代とともに、必要なものを作る暮らしから買う暮らしになりました。50代以下では漬物を漬けたことがない人が多いそうですが、地域には教えてくれる人はたくさんいます。買う力は大事ですが、作る力も身につけましょう。

質疑応答など

 質疑応答では消滅可能性都市論について、「数字からだけ見ると可能性はあるし、実際なくなってしまったところもあるけれど、人間に向かい合わずに数字だけを見ている人の議論です。その土地を生きた人から学ぶこと。データに左右されずに人間を見ること。大丈夫」と結ばれました。
 そのほか地域活性化に取り組む若者の事例報告とシンポジウム、「地域づくり」をテーマに4分科会、2017年度全国地域青年「実践大賞」表彰式など、盛りだくさんの2日間でした。

→地域社会