498号(18年2月)

健康カフェ 健康食品は本当に効くのか?(全国婦人会館)

大野智さん

〜見極め方と向き合い方を考える

講師=大阪大学大学院医学系研究科統合
医療学寄附講座准教授・大野智さん

 一般財団法人全国婦人会館の公益事業である「健康カフェ」が1月24日に開催され、18人が参加しました。

消費者庁のホームページより

 大野先生は健康カフェ2回目の登場です。昨年暮れには「患者力アップ」でNHKのあさイチにも出演されたそうです。
 いわゆる「健康食品」といわれるものには法律上の明確な定義はないため、「サプリメント」「栄養補助食品」など、さまざまな呼び名がありますが、一般的には「健康によい」とされている食品のことで、科学的裏付けの有無は問わないのです。
 「食品」とは、医薬品以外で人の口に入るもの、大きく「一般食品」「保健機能食品」「特別用途食品」に分けられます。一般食品は、機能性の表示はできず、保健機能食品に限って機能性の表示ができます。
 特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品とは異なる、機能性表示食品制度は2015年4月から開始されています。「機能性表示食品」は「お腹の調子を整えます」「脂肪の吸収を穏やかにします」といった特定の保健の目的が期待できる(健康の維持および増進に役立つ)という食品の機能性を表示できることから、消費者の商品選択の一助になりますが、トクホとは異なり、国が安全性と機能性の審査を行っているわけではありません。また、病気の人は対象外です。
 「効く」と客観的にいうためには科学的根拠が必要で、再現性が高いこと、偏りや偶然が少ないことが求められます。信頼性の高い科学的根拠は判断の物差しになりますが、残念ながら医療や薬がすべての人に効果があるわけではなく、効く人もいれば効かない人もいます。そして臨床試験が実施されていない多くの健康食品は、効くか効かないか「分からない」のです。
 いくら健康によいものでも食べ過ぎはよくありません。しかしカプセルや錠剤などの健康食品は過剰摂取しやすく、また、ビタミンやミネラルの過剰摂取は健康を害するリスクが高まります。
 そもそも臨床試験を行う際は、睡眠を十分にとり、暴飲暴食せず適度な運動をすることが求められる規則正しい生活となるため、そのものを摂取しなくても、数値がよくなる場合も多々あるとのお話は衝撃的でした。
 健康食品の科学的根拠には信頼性が高いものと低いものがあり、信頼性の高い情報は判断の物差しになる一方で、必ず不確実性を伴います。意思決定においては、好みや価値観を自分自身に問いかけてみることが重要です、と結ばれました。

→研修・講座
→福祉・健康