492号(17年8月)

核兵器廃絶国際署名について

全地婦連で32万筆余集める

事務局の棚には全国から集まった署名が

 全地婦連では昨年から、ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名に取り組んできました。現在まで32万余の署名が集まっています。今回の国際署名は「平均年齢が80歳を超えた被爆者の最後の訴え」という呼びかけが出されたことに端を発しています。呼びかけ代表には、韓国、アメリカ、ブラジル、カナダ、メキシコに在住の被爆者も含まれています。この国際的な呼びかけを受けて、日本青年団協議会や日本生活協同組合連合会、そして全地婦連など古くから平和運動に取り組んできた組織や、宗教団体、民間の平和組織等国内のさまざまな団体が連絡組織を結成し、2020年を目指して署名運動を開始したものです。

全地婦連が国連で訴えた
核兵器廃絶の願い

 全地婦連は、1978年に開催された国連軍縮特別総会へ代表34名を派遣し、全地婦連分532万人の署名を含む2000万人の署名を届けています。軍縮特別総会で、田中里子全地婦連初代事務局長が行った演説の最後に朗読された詩人峠三吉の『にんげんをかえせ』は、総会に参加していた各国代表の心を揺さぶりました。それから約40年、今も核兵器廃絶への長い戦いが続いています。

被爆体験者
最後の呼びかけ

 そして今回、平均年齢81歳を超えた被爆体験者としては最後の呼びかけになるだろうと、「後世の人々が生き地獄を体験しないように、生きている間に何としても核兵器のない世界を実現したい」という呼びかけが行われました。そこで各団体が連携して、6月9日現在で、296万3889筆が集まりました。全地婦連では、47団体が取り組み、32万6135筆を集めました。
 この署名は、核兵器禁止条約に向けた交渉会議の場へ、被爆者の皆さんの手で届けられました。

7月7日採択

 被爆者の皆さんの熱い思いが核兵器禁止条約交渉国際会議に参加する124カ国に届き、最終日である今年7月7日に「核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約」が122カ国・地域の賛同により採択されました。
 条約の前文では、「核兵器の使用がもたらす壊滅的な人道上の帰結を憂慮する」とし、「核兵器を完全に除去する」必要性を強調、被爆者の今日までの苦しみに思いを寄せ、「核兵器使用の被害者(ヒバクシャ)と核実験の被害者の受け入れがたい苦しみと被害に留意する」「核兵器の全面的な廃絶の要請に示された人道の諸原則の推進における公共の良心の役割を強調し、また、このために国際連合、国際赤十字、赤新月運動、その他の国際機関及び地域的機関、非政府機関、宗教指導者、議員、学術研究者、及びヒバクシャが行っている努力を認識し」との文言が盛り込まれました。
 今後、9月20日に署名手続きが始まり、批准国数が50カ国に達した後、90日をへて条約は発効します。

日本は不参加

 皆さんご存知のように、この交渉会議には、アメリカ、ロシア、フランス、中国、英国の核保有国、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルの実質的核保有国、アメリカの核の傘に依存している日本、ドイツ、ポーランド、韓国、イタリア、カナダが参加しませんでした。日本は当初はこの会議に参加していましたが、「建設的かつ誠実に参加することは困難」と説明し、その後は欠席しました。
 しかし、何よりもまず、核兵器禁止条約に賛同し批准することが、唯一の被爆国として世界に果たす役割であることは、被爆者の皆さんの切なる思い、強い願いです。
 これまで署名の推進に力を注いできた、ヒバクシャ国際署名連絡会では、皆で論議し、日本を含め世界中の国や地域がこの署名を批准し、地球上から核兵器が廃絶できる道筋が引かれるその時を求めて、これからも署名運動を続けることを決定しました。
 全地婦連でもまだまだ機会を得て、署名を呼びかけてまいりましょう。この条約を日本が批准すること、そして条約が正式に発効し、世界から核兵器がなくなるまで運動は続けていかなければなりません。

→平和運動