489号(17年5月)

消費者スマイル基金設立

松本純大臣
阿南久理事長

消費者団体を財政的に支援

 安全で安心して暮らせる社会の実現はすべての消費者の願いですが、高齢者―若年層を中心に、さまざまな形での消費者被害はなくなることがありません。
 こうした消費者被害の防止や被害回復に対しては、自治体の消費生活センター等を主に、行政によって施策が講じられています。
 また、消費者団体においても平成19年から適格消費者団体による差し止め請求制度の運用が、平成28年10月からは特定適格消費者団体による集団的な被害回復のための裁判手続き制度の運用が、それぞれ開始されています。

消費者被害の防止救済に寄与

 このような消費者団体が行う消費者被害防止や救済などの公益性の高い活動に対しては、本来公的支援があってしかるべきですが、現状では直ちにそれは望めません。そこでこうした制度の周知も兼ね、まず消費者自らや賛同する事業者が消費者団体の活動を支援していくことが必要です。
 消費者スマイル基金はこのような公益的活動を行う消費者団体を財政的に支援。こうした団体への支援を通じて、消費者被害の防止―救済に寄与したいと願い、4月28日に特定非営利活動法人として設立しました。

全地婦連も正会員に

 設立総会では8議案が承認され、元消費者庁長官の阿南久さんが理事長に就任しました。
 設立記念講演会には松本純消費者担当大臣が来賓として登壇し、「消費者団体が取り組む被害の防止や被害の回復などの活動に助成することを目的とする『消費者スマイル基金』が設立されたことは、消費者団体の財政基盤の確立にとって、大変意義のあることです。消費者庁としても、会員や寄付の獲得につながるよう、しっかりと周知をするなど、基金の後押しをしてまいりたいと考えております」とあいさつしました。
 内閣府消費者委員会委員長の河上正二さんによる「消費者市民社会における消費者団体の役割」と題した記念講演では、次のように話されました。
 適格消費者団体や消費者団体が活動をして官の支援をするということだけでなく、消費者自身の「自助」も重要になってきます。自助―共助―公助が連携しないと消費者行政は前に進みません。現在の財政状況の中で、官が公助をしてくれないと嘆くだけではだめ。それぞれがそれぞれの立場でやれることを精いっぱい頑張らなくてはなりません。
 国に資金を出してくれ、といくら言っても出してくれないのであれば、共助で補わざるを得ないのです。個人が救済されるためにはお互いに寄付で得たお金を使うしかありません。
 消費者として成長するということは、人間として成長する人間力を高めることで、保護さえされればよいものではないのです。消費者自らが賢くなり、選択をして市場をクリーンにしていく、いわば消費者市民社会となるのです、と結びました。
 全地婦連も正会員として、消費者スマイル基金に協力していきたいと思います。

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