489号(17年5月)

「消費者基本計画工程表」改定に向けて

関係府省庁等が講ずべき施策まとめる

消費者基本計画工程表の学習会

 「消費者基本計画」は、消費者基本法に基づき、長期的に講ずべき消費者政策の大綱および消費者政策の計画的な推進を図るために必要な事項を定め、閣議決定するものです。

 現在の第3期消費者基本計画は平成27年3月24日に閣議決定され、2015年度から2019年度の5年間を対象としています。この5年間で取り組むべき主な施策は、@消費者の安全の確保A表示の充実と信頼の確保B適正な取引の実現C消費者が主役となって選択・行動できる社会の形成D消費者の被害救済、利益保護の枠組みの整備E消費者行政の体制整備、です。
 関係府省庁等が講ずべき具体的施策について、取り組み予定をまとめた「消費者基本計画工程表」は、効果把握のため、施策の項目ごとにKPI(重要業績評価指標)が具体化されています。工程表に記載する施策の実施状況は、消費者基本法に基づき、毎年度、消費者庁が関係府省庁等の協力を得て報告を取りまとめ、政府として国会に提出しています。消費者政策会議において、この工程表に記載する施策の実施状況は、KPIも含め随時確認し検証・評価・監視が行われ、消費者委員会の意見を聴取した上で、1年に1回は改定することとされています。必要な施策の追加・拡充や整理、実施状況に応じた施策の前倒しを含む実施時期の見直しも行います。

改定に向けての学習会

 昨年7月に改定された工程表ですが、その後の消費者を取り巻く状況の変化や、盛り込まれた具体的施策の実施状況を踏まえ、「消費者基本計画工程表」の改定素案が取りまとめられ、このたび意見募集が実施されました。これを機会に学習会が開かれました。
 全地婦連が加盟する全国消費者団体連絡会では、基本計画を担当する消費者庁の消費者政策課河内達哉課長を招き、学習会を開催しました。
 2017年度の行程表は、持続可能な開発目標(SDGs)の推進や電力・ガス小売全面自由化への対応等の最近のトピック、食品ロス削減推進等の食品関係、成年年齢引き下げ等の消費者の年齢層に着目したもの、消費者の被害救済・利益保護の枠組み等の強化など、横断的な枠組み等の取り組みをポイントに作成されました。
 学習会の参加者からは、行程表に書き込まれた施策の多くが、「○○を推進する」「○○を検討する」という記述となっていて、具体的な施策の検証・評価が困難になっています。ぜひ、年度毎に何をするのかを具体的指標とともに記述するよう求める声が多く出ました。
 また、KPIそのものも定量的なもの、たとえばホームページのアクセス数やセミナーの開催回数等のようなものの場合、結果効果はどうだったのかと問われることになり、その視点も入れた指標の設定が強く求められました。
 その他にも、500カ所を越える人口5万人以上の自治体で、消費者安全確保地域協議会の設立がいまだに30カ所にも満たない現状を指摘し、消費者庁はより積極的な後押しをすべきで、行程表に具体的な記入が必要、徳島県未来創造オフィスで実施されるさまざまな対策を一覧できるようにすべきではないか等の意見が出されました。
 消費者基本計画は私たちが国の消費者政策に直接接し、検証・評価・監視ができる重要なプロセスです。この仕組みが有効に機能するように私たちも常に関心を寄せていかなければなりません。



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