487号(17年3月)

北方領土返還要求全国大会

北方領土返還要求全国大会
=2月7日、国立劇場

 2月7日は「北方領土の日」です。この日を中心に全国各地で、北方四島の返還を求めたさまざ
まな取り組みが行われています。根室市では「根室管内住民大会」、雪まつりで賑わう札幌市でも
元島民やその二世、三世、返還運動の関係者などが北方領土問題の早期解決を訴えました。

国立劇場に1900人四島返還実現を訴える

 東京では国立劇場で北方領土返還要求全国大会が開催され、全国から1900人が集まりました。全地婦連からは約100人、各都道府県民会議からも多数の婦人会員が参加しました。
 今度こそ北方領土問題が進展する、と日本中の期待が高まった昨年12月の日ロ首脳会談。結果は、北方領土での共同経済活動や島への自由な行き来について今後協議していくことを確認した、直後の大会です。
 各界の返還要求運動関係者がそれぞれの立場で、北方四島の返還実現に向けた決意や返還要求運動の継続を訴えました。全地婦連からは、三苫紀美子佐賀県会長が、「政府は交渉を加速し、領土問題の解決に向け毅然と取り組んでほしい」と力強く発言しました。
 安倍首相はあいさつで「北方四島の未来像を描き、その中から解決策を探し出す未来志向の発想が必要だ」と述べ、北方四島の帰属問題の解決、さらには平和条約の締結に全力で取り組んでいく姿勢を示しました。

三苫佐賀県会長の発言
三苫紀美子佐賀県会長

 生きているうちに故郷に帰りたい!元島民の方の故郷への熱い思いをしっかり受け止め、女性の目線で共に願い、全国で40年程前から北方四島の返還を求め活動を展開してまいりました。毎年根室に代表団を派遣、視察と元島民の方のお話をうかがっています。また、ビザなし交流への参加、近年では全国各地で北方領土研修会を開くなど、私たちの役割は北方領土問題の啓蒙活動です。
 政府の役割は領土問題の解決であります。12月、6年振りのプーチン大統領との首脳会談に領土問題の新時代を迎えたものと確信しています。
 政府は交渉を加速し、北方領土問題の解決に向け毅然たる態度で取り組んでいただきたいと思います。元島民の方々に、一日も早く笑顔が戻る日が訪れることを期待しています。

安倍総理の発言

 戦後71年が経過してもなお、日本とロシアの間には平和条約がないのは異常な状態です。何とかこの状況を打開しなければならない。その思いで、昨年12月、プーチン大統領との山口での会談に臨みました。
 会談に先立ち、元島民の皆さんの思いを直接うかがう機会を得ました。「52カ所ある日本人墓地の多くは近くまでしか行けない」というお話もうかがいました。皆さんの平均年齢は81歳を超えられている。「もう時間がない」「ふるさとを自由に訪れ、島で朝を迎えたい」、島民の方々の切実な思いが胸に突き刺さりました。
 首脳会談は、夕食を含め5時間以上、うち95分間は二人だけの膝詰めの会談を行いました。その大半は平和条約の問題に費やしました。
 その冒頭、島民の皆さんの思いをプーチン大統領に率直に伝えました。プーチン大統領は、島民の方がロシア語で書かれた手紙をその場でじっくりと読まれ、会見で非常に感動的な手紙だったと語りました。島民の皆さんのお気持ちが、ロシアの大統領の心に直接届いたのです。島民の皆さんの思いに応えるべく、皆さんのふるさとへの自由な訪問やお墓参りの実現に向けて、迅速に検討を開始することになりました。
 70年間、残念ながら1ミリも動いてこなかったこの問題を解決するためには、歴史的な経緯などにばかりとらわれるのではなく、北方四島の未来像を描き、その中から解決策を探し出す未来志向の発想が必要です。そのような発想で、「新たなアプローチ」に基づき、北方四島において共同経済活動を行うための「特別な制度」について、交渉を開始することで合意しました。
 これは平和条約の締結に向けた重要な一歩であると確信しております。早急にこれを具体化するため、本日午後には政府を挙げて案件形成に向けた検討をスタートします。
 プーチン大統領は会見で、「関心は経済だけで平和条約は後回しにするという指摘は間違っている。一番大事なのは平和条約の締結だ」と明言し、さらに、文書で「両首脳が平和条約問題を解決する自らの真摯な決意を表明した」ことを確認しました。私とプーチン大統領が、この戦後ずっと残されてきた課題に終止符を打つ、その強い決意を共有したのです。このことが何よりも大事だと考えています。
 もとより、過去70年以上にわたり解決できなかった平和条約の締結は、容易なことではありません。しかし、島民の皆さんのふるさとへの切実な思いをしっかりと胸に刻み、一歩一歩、着実に前に進めていく所存です。
そして、交渉を進展させるためには、国民一人一人がこの問題への関心と理解を深め、政府と国民が一丸となって取り組むことが重要です。
 北方四島の帰属問題を解決し、平和条約を締結するとの基本方針にのっとり、この問題を解決すべく、引き続き力強いご支援とご協力を賜りますよう、あらためてお願い申し上げ、私の挨拶といたします。

→北方領土問題