484号(16年12月)

2016年度 九州ブロック会議

とりもどそう古きよきもの
とりいれよう新しきよきもの

九州ブロック会議=ホテル日航熊本

柿沼トミ子会長
 
東家武子
熊本県会長
 10月31日・11月1日、九州ブロック会議が熊本県熊本市のホテル日航熊本で開催されました。今年4月16日の熊本地震の影響で、熊本城の石垣はまだ崩れたまま、市内にも屋根の上のブルーシートが目に付く状態です。そんな中、九州各地から会員900人が集まり、盛大にブロック会議が開催されたことは、開催県及びそれを支える九州7県の強い思いが感じられる会議となりました。
 大会テーマは、「とりもどそう古きよきものとりいれよう新しきよきもの」〜婦人会は地域力の原点・笑顔のスクラム九州は一つ〜とし、分科会の統一テーマは、熊本地震災害の教訓を後世に伝えるために、「想定外は許されない」です。
 主催者挨拶では、東家武子熊本県会長が、全国各地から届けられた支援への感謝とともに、九州は一つ、これからも励ましあい高めあって、志高く進んでいきたいと述べました。
 続いて、柿沼トミ子全地婦連会長は、全国から寄せられた2500万円を超える募金を熊本県地婦連へお届けしたこと、「現場力」を持った婦人会はこれからも力を発揮しよう、九州は一つ、そして全国も一つであると挨拶しました。

記念講演
「女の一生」

姜尚中さん
 開会行事の後、東京大学名誉教授でメディアでもおなじみの姜尚中さんの「女の一生」と題した記念講演がありました。
 熊本市出身の姜さんは、現在熊本県立劇場の理事長としても活躍されています。
 姜さんは、まず熊本地震を受けて、ますます女性が家族や地域、職場で安心安全のパワーを発揮してほしいいと話し始められました。
 夫婦、家族は基本的な単位です。考えてみれば、血のつながりのない男と女が何十年も一緒に生活することは奇跡的なこと。友人は自分のサイズ・レベルしか集まらないけれど、男女には番狂わせがある。番狂わせで成り立っているのが夫婦であるともいえるでしょう。
 夏目漱石は4年3カ月、熊本で暮らし、結婚と長女の誕生を迎えています。漱石夫妻についてはちょうどドラマで描かれたところですが、あの夫婦も番狂わせの夫婦といえます。
 漱石が来熊した明治29年の7年前にも熊本は震度6以上の地震に見舞われています。私たちにとって情報の伝承こそが今大切です。
 現在の情報はネットですぐに入手できるけれど、時系列の情報が分からなくなっています。昔のことを知らない、その結果、いろいろな問題が起きているのです。地域の伝承の発掘、共有が大切なのです。
 熊本地震が起き、あらためて確認したことは、人は家族や地域の人々に助けられているということです。神戸でも、消防などプロの手により助けられたのは20%程度といわれています。地域がしっかりしていて、相互扶助の関係が成り立っているところこそが力を発揮できるのです。今日のような会合にぜひ、地域の企業の方にも参加していただきたいと思います。そうやって地域力を高めていくのです。
 世の中は、良い人が良い結果に終わらない、悪い人は悪い結果とは限らないことが多くあります。普通の生活をすることが一番です。たくさんのお金を稼ぎ出す人もいれば、所得は少なくとも豊かな地域関係の中で生きる人もいます。ことが起こった時に自治体同士が融通し合う関係を作ること、そのためには地域そのものが豊かな関係を持っていなければなりません。地域の中で生きることがどんなに大切かを学びましょう。
 地域が女性の活躍の場です。華々しい人もいれば、支える黒子の人もいる。目立たないけれど頑張ってきた人たちをこのような場でぜひ顕彰してほしいと思いますし、若い人が目指す組織になってほしいと願います。
 夜の懇親会では、開催県の東家熊本県会長が花魁(おいらん)姿を披露するなどのサプライズも用意され、大変盛り上がり、楽しい会となりました。

分科会のテーマ
想定外は許されない

吉田道雄さん

 2日目はまず5つの分科会に分かれ、「想定外は許されない」を統一テーマに、防災・減災、組織、青少年健全育成、くらし、歴史について話し合いました。
 その後、九州各県会長が分科会の様子を報告し、熊本大学名誉教授の吉田道雄さんが助言と指導を行いました。
 吉田さんからは人口減少時代の今、女性の比率が増えているのだから、そのパワーを活かさないともったいないと激励されました。私たちは、確率よりも確実なことを目指しましょう。自分ができることをできる場所でやることが大事です。
 今回の避難所でも強く感じましたが、集団というものは、同質の人ばかりより異質の人がよいのです。でもリーダーシップが重要です。残念ながら、人は何かに気づいていても“だれか言わないかな”症候群に陥りやすいのです。相手の顔に何かついているとします。すぐに指摘すればよいものを見て見ぬふりをする、それではだめなのです。まず自分が言う。気づいたことは私が言おうという雰囲気つくりが大切です。それを言われたときにありがとうと受け止めるのがリーダーですと、ご自身の体験を交えながらユーモアたっぷりの助言をいただきました。
 パネルディスカッションの最後には第5分科会の講師でもあった民謡竹峰流宗家二代目の福島竹峰さんが、東日本大震災を後世に語り継ぐために創作した歌を披露してくださいました。
 そして、「私たちは、今大会を契機に改めて地域婦人団体の責務を自覚し、地域の核となる婦人会組織力の向上を図り、共に支えあうぬくもりのある地域力の創造に向けて努力すること」を宣言、10項目の決議を採択して閉会しました。


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