483号(16年11月)

第64回 全国地域婦人団体研究大会

あつまろう!育てよう!もりあげよう!〜未来に羽ばたく婦人の輪〜
さいたま市で開催 2500人余が参集

第64回 全国地域婦人団体研究大会

 爽やかな秋晴れに恵まれた10月20・21日、埼玉県さいたま市の大宮ソニックシティで、第64回全国地域婦人団体研究大会が開催されました。テーマは「あつまろう!育てよう!もりあげよう!〜未来に羽ばたく婦人の輪〜」。初日は5つの分科会で熱心な討議と懇親会、 2日目は、昨年ノーベル生理学・医学賞を受賞された北里大学特別栄誉教授大村智博士の記念講演「私の半生を振り返って―研究と美術と社会貢献―」があり、全国の会員や一般の来場者など2500人余が集いました。

柿沼トミ子会長 大村智博士

1日目
5つの分科会

第1分科会=消費者問題「地域連携で消費者被害を防ごう“被害に遭わない“から”学び・伝える“へ」弁護士 池本誠司さん

 身近な消費者トラブルの現状、増加する高齢者や弱者のトラブル事例を紹介しながら、地域で活動している団体として消費者被害を防ぐ協力者を増やしてほしい、人づくりが今後の要、と話されました。

第2分科会=男女共同参画の視点からの防災「東日本大震災後の支援活動を通してみえてきたもの」もりおか女性センター長 平賀圭子さん

 災害時に女性たちがすっかり男性に頼ってしまった経験をもとに、日常から男女の区別なく、自分のことは自分でが大切。炊き出しを男性が、消火を女性が担うなど、避難訓練から見直してみようと提案されました。

第3分科会=子育て支援「男女共同参画のほんとうのハードルと乗り越え方」経済評論家 勝間和代さん

 少子化というのは男女共同参画が進んでいないからにほかならない。「ワーク・ライフ・バランスは自然なこと」という空気を企業内に作ることが必要です。怒らず、妬まず、愚痴らず、一人一人が地道にできる範囲で進めていくことがカギ、とまとめられました。

「効果的な少子化対策に向けて〜埼玉県の現状と今後〜」埼玉県福祉部少子政策課課長 今泉愛さん

日本の少子化の現状、第1子の壁(出産支援)、第2子の壁(育児にかかる心理的・身体的負担の軽減)、第3子の壁(経済的負担の軽減)に対する埼玉県内の少子化対策、検討案を聴きました。

第4分科会=食「健康食品の安全性について〜健康食品を例に食品の安全性を考え直そう〜」内閣府食品安全委員会前事務局長 姫田尚さん

(1)不老長寿の食品・薬はない(2)食べて痩せる食品は有害物(3)天然・自然=安全、ではない(4)現在の日本のように食事ができる国では、ビタミン・ミネラルのサプリメント補給は健康にプラスの作用をもたらさない―これだけは忘れずに!と結ばれました。

第5分科会=歴史「宮沢賢埼玉来訪100周年―秩父とジオパーク―」埼玉県立自然史博物館元館長 本間岳史さん

 詩人で作家の宮沢賢治が、学校の地質調査旅行で秩父地方を訪れてから100年。宮沢賢治の人物像、秩父の地形の特色、日本のジオパーク、未来のジオパークについて話されました。

懇親会

加藤勝信大臣

 分科会の後はパレスホテル大宮で懇親会が開かれました。加藤勝信内閣府特命担当大臣も出席され、祝辞をいただきました。
 埼玉県会員の祝舞や秩父屋台囃子保存会の勇壮な太鼓の響きは、懇親会を盛り上げました。

2日目
記念講演・全体会

 オープニングでは星野学園中学・星野高校吹奏楽部マーチングバンドが、会場を華やかに彩りました。
 柿沼会長は、「今回の研究会で得たことを地元で活かしてください。新たな一歩を踏み出しましょう」と、力強く開会を宣言しました。
 続いて、内閣府武川恵子男女共同参画局長、文部科学省有松育子生涯学習政策局長のご挨拶、塩崎厚生労働大臣(代読)、上田清司埼玉県知事(代読)、宮崎栄治郎埼玉県議会議長、関根郁夫埼玉県教育委員会教育長から祝辞をいただきました。
 昨年、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士の記念講演は「実践躬行」、探究心を持ってひたすら研究してきたこと、さまざまな人との出会いに感謝している、これからの日本の最も大切なことは子どもたちの育成、と結ばれました。
 大会宣言と8項目の決議を採択し、来年第65回全国大会が開催される島根県連合婦人会にバトンが引き継がれました。

市松人形のプレゼント

 今回の全国大会には、中華全国婦女連合会の会員5人が来日されました。10月19日、到着したその日に総務省金子恵美総務大臣政務官、武川惠子内閣府男女共同参画局長を表敬訪問、翌20日には独立行政法人国民生活センターを訪問しました。
 大会初日の懇親会では、柿沼会長が中華全国婦女連合会国際部長の牟虹(むこう)さんに、埼玉県岩槻の市松人形を贈呈しました。


宣言

 私たち、全国地域婦人団体連絡協議会会員は、ここ埼玉県さいたま市に集い、「あつまろう!育てよう!もりあげよう!」〜未来に羽ばたく婦人の輪〜をテーマに、第64回全国地域婦人団体研究大会を開催いたしました。

 これまで私たちは、婦人団体としての伝統と組織力を持ち、地域のあらゆる場面で提言・実践をし、地域社会づくりに貢献してまいりました。

 しかし、現在の日本は、対外的には厳しさを増す国際関係、国内にあっては少子高齢、人口減少社会の急速な進展と大きな課題に直面しています。このような状況下で、今大会の分科会では消費者問題・男女共同参画の視点からの防災・子育て支援・食・歴史について学びました。私たちは、長い歴史と伝統、組織力を生かしながら、創意工夫を凝らして、新たな“共生の時代”をつくりだすことの重要性を確認しました。

 私たちは、「全国が手をつないで、今こそ婦人会、やっぱり婦人会」のもとに、本研究大会で協議した成果を全国に発信し、直面する諸問題の解決のため関係機関への提言を行うこと、安心・安全な地域社会づくりに努めることを宣言します。

  2016年10月21日

第64回全国地域婦人団体研究大会


決議

  1. 男女共同参画社会の実現に向けて行動します。
     男女共同参画社会基本法が制定され17年目を迎え、昨年度には第4次男女共同参画基本計画が策定されました。新しい基本計画では、男性中心型労働慣行等の変革と女性の活躍を掲げ、男女共同参画を我が国における最重要課題として位置づけ、国際的な評価を得られる社会を目指しています。
     私たちは、地域婦人会・女性会とともに、職業生活にとどまらず、地域における女性の活躍推進の重要性を訴え、男女共同参画社会の実現に向けて活動します。
  2. 環境問題に積極的に取り組みます。
     大規模な自然災害が世界中で起きており、地球規模での環境対策が喫緊の課題となっています。
     私たちは、地球温暖化防止や自然災害等への備えなど、積極的に情報収集や学びを通して、全国の加盟団体で情報共有をし、グローバルな視野を持ち、ローカルで実践活動をする地域女性団体として、持続可能な社会の構築を目指して活動
    します。
  3. 食の安全・消費者問題について学習し、行動します。
     日本の食糧自給率は39%と先進国では最低のレベルです。
    私たちは地産地消や食育に取り組み、ユネスコ世界無形文化遺産に登録された和食―日本の伝統的な食文化を普及させる活動に取り組みます。
     また、高齢者やインターネット関連の消費者問題は増加の一途をたどっています。
     私たちは暮らしの中での気づきを大切にして、安心・安全な社会を目指して、消費者問題の防止に向けて積極的に発信し、消費者行政・政策への反映を図る取り組みをします。
  4. 子どもたちが安心して希望豊かに育つことができる環境づくりを目指します。
     子どもたちを取り巻く環境は少子化の進展や児童虐待、貧困など課題が山積しています。平成27年4月には新しい子ども・子育て支援制度が始まり、次代の社会を担う子ども一人ひとりの育ちを社会全体で応援し、安心して子育てができる
    環境整備が法律で実施されるようになりました。
     私たちは、子どもたちの健やかな成長に向け、地域の力を強める取り組みをします。
  5. 福祉・健康問題について地域活動を推進します。
     4人に1人が高齢者となる社会は目前にせまり、社会保障関連費は増加し、給付の効率化や公平な負担などが求められています。また、地域包括ケア等への積極的な婦人会の役割発揮が期待されています。
     私たちは、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる社会の実現を求め、生涯を通じた女性の健康と命を守る活動を進めます。
  6. 平和な社会を守ります。
     世界では今も悲惨な戦争や紛争が各地で起きています。今こそ唯一の被爆国として、核兵器廃絶に向けて、より一層の力を発揮しなくてはなりません。
     私たちは、日本が二度と戦争をしない、夫や子どもを戦場におくらないとの強い決意を持って、平和運動を続けてまいります。今後も世界に誇る平和な社会を守っていきましょう。
  7. 北方領土返還要求運動を進めます。
     北方領土がロシアに不法占拠されてから70年の年月が経ちました。
     私たちは諦めることなく四島一括返還を求めて活動し、政府の領土交渉を後押しする運動を進めます。
  8. 防災・減災の活動に取り組みます。
     東日本大震災や熊本地震、各地の水害からの真の復興のため、国民全体での取り組みの継続強化と、復興を支える地域コミュニティの再生に、くらしの視点から声をあげ、積極的に防災や減災に取り組みます。

  2016年10月21日

第64回全国地域婦人団体研究大会


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