482号(16年10月)

北方四島交流一般訪問事業(北連協主体)国後・択捉島を訪問

 北連協主体の平成28年度第2回北方四島交流一般訪問事業が9月15日から19日に実施され、全地婦連から2人が参加、国後島と択捉島を訪問しました。

今日の出会いにありがとう
広島県理事 佐藤 浩子

ホームビジット先で

 択捉島に上陸という9月17日、前夜からしけていた海は朝になっても収まらず、はしけがえとぴりか号に近づくことができません。そこでこの日は、船内での学習会となりました。団員には鈴木宗男さんやNHK解説委員の石川一洋さんなど、北方領土問題のスペシャリストが多く参加されており、その方たちを中心に勉強会をしました。
 近年の返還交渉の政府方針では、四島一括返還ではなく四島の主権が認められれば、引き渡しには柔軟に対応するというかたちで交渉を進めていく方針だと説明されました。
 領土問題は、確かに主権の問題ではありますが、それぞれの隣の諸国と善隣関係を作ることが大切だと話されました。
 まさにこのビザなし交流が、島に住んでいるロシアの人たちと友好を深め、日本の文化や日本人を理解してもらい、お互いに善隣関係を作るための訪問であると、強い使命を感じました。
 翌18日は心配していた波も収まり、昨日からのスケジュールを取り戻すため4時30分から朝食。2時間の時差もあり、早朝からの行動となりました。
 この日一番の交流はホームビジットでした。訪問先にはごちそうとウオッカやワインなどが準備されていて、通訳を交えて楽しい時間を過ごしました。持参したお土産の舞い扇や小さなお雛さま、お菓子などを手渡し、私のガーデニングの写真を紹介しました。「日本の庭は素晴らしい」と喜ばれ、訪問先の庭に咲いていたバラとダリアを摘んでブーケにしてもらいました。
 今日の出会いが「スパシーバ(ありがとう)」といえる3時間で、楽しく素晴らしい友好交流となりました。

日本文化を通して相互理解を
徳島県理事 石本知恵子
択捉島の陶芸教室

 北方領土ビザなし交流「北連協の船」の団員として、9月18日晴れ、気温11℃、現地時間9時30分、択捉島内岡に上陸しました。
 何とも言いがたい空気感、入国ではなく「入域」なのです。近くて遠い北方領土、先人たちが歴史の現実を見つめ、今なお北方領土問題の解決を含む日ロ間の平和条約締結問題解決のための環境整備を目的として、北方四島在住のロシア人との相互理解を促進するために実施している交流事業に初めて参加したせいでしょうか。団員としての責任感、日本人とロシア人との住民同士の交流が始まろうとしているからなのでしょうか。
 今回、日本文化紹介として、陶芸、日本庭園の手入れが行われます。私は陶芸に参加しました。ロシア人の子ども12人、大人3人、団員17人、教室の中は所狭しでも、子どもたちの屈託のない笑顔、何事にも挑戦する姿、物おじしない行動に温かい風が吹いています。これこそが交流でしょう。
 言葉の壁、年齢の差なんて感じない、身ぶり手ぶり、片言のロシア語「スパシーバ」(ありがとう)「ドルージバ」(友好)が飛び交っているのです。これまで何度も日本文化を通して、相互理解に努めてこられた、北連協の努力の賜物なのでしょう。
 真摯に人と向き合い、喜び、楽しさ、優しさを共有することがビザなし交流なのでしょう。交流の輪を広げること、継続していく大切さが相互理解の増進を図ると痛感しました。

→北方領土問題