480号(16年8月)

平成28年度版 消費者白書

 平成28年度版「消費者白書」が、5月24日に閣議決定、公表されました。消費者白書とは、消費者基本法および消費者安全法に基づく法定白書で、消費者政策の実施の状況(消費者基本法)と消費者事故等に関する情報の集約および分析の取りまとめと結果の報告(消費者安全法)がまとめられています。

「地域」に目を向けて

 消費者庁発足から、4回目の発行となる白書。今回の特集テーマは「地方消費者行政の充実・強化に向けて」。消費者行政の最前線である「地域」を取り上げています。
 経済的被害に遭ったとき、消費生活センターなどに相談したいと考える人の7割が身近な窓口で相談したいと考えており、特に高齢者はその傾向が強く、市町村の相談態勢の整備が有効です。しかし、高齢者本人が相談をする割合は低く、高齢者等を見守る仕組みの整備が求められます。
 消費者行政の一層の強化を図るためには、どこに住んでいても質の高い相談・救済を受けられなくてはなりません。

188(いやや!)を知っていますか

 地方公共団体が設置している身近な生活相談窓口を案内する全国共通の電話番号、消費者ホットラインが、覚えやすくすぐ利用できるよう、20 15年7月から3ケタ化「188(いやや!)」になりましたが、認知度は1割で、今後の周知が課題です。
 情報化・高齢化に加え、最近の消費者問題は、光回線サービスの卸売、マイナンバー制度、電力の小売り全面自由化などの新たな制度に伴う相談が報告され、多様化・複雑化している消費者問題に対応する相談態勢の質の向上も必要です。
 「経営方針や理念、社会貢献活動」を重視する消費者が増加し、「食品の安全性」「偽装表示、誇大広告など」への関心が高いことが分かります。
 中でも「食品ロス」問題の認知度は格段に向上しており、「消費者市民社会」について知っている人は2割にとどまっているものの、6割超の消費者が社会的課題につながることを意識して、消費行動を行いたいと思っていることも報告されています。
 まだまだ足りない、と言われる消費者行政ですが、無理だと思われていたホットラインの3ケタ化など、一歩ずつですが、確実に前進しているといえるでしょう。
→消費者問題・経済生活