479号(16年7月)

PLオンブズ会議報告会
廃棄食品不正流通をテーマに

これでいいのか、廃棄食品不正流通

 PLオンブズ会議は、1994年に実現したPL法施行3年後から、PL法を中心に、製品の安全や製品事故の調査・研究を行い、法施行の7月1日前後に「報告会」を開催しています。今年は7月1日にPLオンブズ会議報告会が主婦会館で行われ、消費者団体ほか55人が参加しました。

 2016年報告会テーマは「これでいいのか!廃棄食品不正流通」。今年1月に起こった廃棄食品の不正流通問題は、消費者安全法・食品表示法(消費者庁)、食品衛生法(厚生労働省)、食品リサイクル法(農林水産省)、廃棄物処理法・食品リサイクル法(環境省)、警察などが複雑に絡みあう問題でした。
 再発防止のために、事業者・業界団体に望みたいこと、また消費者・消費者団体にできることは何か。食品廃棄物問題から、消費者安全行政を問い直しました。

 報告(1)(2)

 報告(1)では、一般財団法人食品産業センター加藤正樹技術環境部次長から「食品廃棄業者の廃棄ロス低減の取り組み」についてうかがいました。 平成24年度の推計によれば、事業系廃棄物のうち、規格外、返品、売れ残り、食べ残しなどの可食部分と考えられる量は331万トンで、家庭から出される廃棄物のうち、可食部分は312万トンと、ほとんど変わらないとのことでした。
 報告(2)では、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課課長補佐竹花英彰さんが「廃棄食品不正流通問題に対する環境省の対応」について話されました。

パネルディスカッション

 パネルディスカッションでは、中山弘子前新宿区長、宗林さおり国民生活センター理事、小山裕士千葉県衛生指導課副課長、全地婦連の長田三紀事務局長が登壇、中村雅人弁護士のコーディネートで話し合いました。
 食品事業者は「食品廃棄物の排出そのもの」の削減に努める必要があること。また、本来廃棄しなくてもよい食品も廃棄されている現状は消費者として是正していく必要がある。食べられる食品については、安全を担保した上で、合理的な価格で、取引をしていくことも必要ではないか。なぜこんなに安いのか消費者にきちんと分かる仕組み、透明性を持って実施される仕組みによって悪質業者は排除されるのではないだろうか。
 自主回収される食品には、事業者が賞味期限の表示をうっかり間違える、違う商品名が書かれたパッケージに入れてしまった、などがあり、これらは注意をすれば防げることである。
 本当に食べられないものは、そのまま商品として転売できないよう、パッケージに穴を開ける、色を付ける等の工夫が必要である。排出業者は排出責任を徹底し、廃棄物のトレーサビリティーを確実に実施すること。
 事前規制としてマニフェストの虚偽申告を見抜くこと、また、健全な経済活動を持続し公正な市場を作っていくには、事後規制として違反業者には課徴金や罰則などの厳しい法制度化が求められる。逆に、消費者志向経営をしている優良事業者に対して応援する仕組みも必要である。
 行政、地方自治体については、縦割り行政とは異なる仕事の文化を身に着け実践していく職員の育成を求めたい。
 消費者自身では知り得ない不正については、良心に基づく内部通報に頼るしかない。その際の「公益通報者保護法」が有効に機能するよう、速やかな法改正が望まれる。認知度が低いことは残念なことである。
 食品ロスの問題として考えた場合、消費者・消費者団体が粘り強く声をあげ続けることがこれからの消費者行政を支え育て、効果的に機能する。消費者団体も高齢化が進んでいる。若い人たちが関心を持っていることから消費者問題につなげていくことが重要、などの意見が出されました。
 最後に、PLオンブズ会議からの提言を読み上げ、報告会を締めくくりました。

→環境・食生活