479号(16年7月)

消費者教育推進会議〜消費者教育の実施状況についてヒアリング
柿沼会長が発言

柿沼トミ子会長

 6月30に消費者庁で消費者教育推進会議が開かれ、柿沼トミ子会長が出席しました。消費者団体の消費者教育の実施状況についてヒアリングがあり、以下は柿沼会長の発言要旨です。今回の会議は、消費者庁の徳島移転の可否を検討する作業の一環として、テレビ会議システムを利用して行われました。

全地婦連は老舗の百貨店

 全地婦連は、それぞれの地域の暮らしの中で気づいたさまざまな課題に取り組んできました。消費者問題、環境問題、青少年の健全育成、社会福祉、女性の地位向上、男女共同参画、平和問題、公明選挙など、取り組みは広範囲です。全地婦連は老舗の百貨店であり、時代と地域のニーズに合わせ、行政とタイアップしながら活動を展開しています。
 また全地婦連では、日々の暮らしで気づいたことについて知識を習得し、地域に役立つ活動に取り組んできました。発足当時は衛生環境を向上させるために、ハエや蚊の駆除、ごみの減量などから取り組みました。

カラーテレビの買い控え運動も

 その後は全国組織というネットワークの特長を生かして、調査で分かった消費者問題に取り組み、その結果を全国的運動に展開してきました。例えば全国で実施したLPガスの価格調査では、寒冷地や競争の少ない地域での高い値段が指摘されました。
 また、海外でダンピング疑惑までかけられているカラーテレビの価格が、国内では高い定価設定の二重価格による高止まりであることに気づき、最終的には他の消費者団体にも呼びかけ、日本国中一斉に買い控え運動にまで発展させた活動もありました。
 その際にも、きめ細かく全国の会員と意見交換を重ね、問題への理解を得て、取り組んできました。
 これらも消費者教育の一環と、私は考えます。

消費者啓発事業で金融被害防止策も

 最近の消費者教育への取り組みですが、消費者教育推進法が成立し、さまざまな場で、多世代への消費者教育の重要性が再認識されています。
 全地婦連もあらゆる場を通して、消費者問題への関心を喚起し、地域での消費者教育へつながるよう問題提起を行っています。
 一例として秋田県では、毎年14の加盟郡市の団体で、消費者啓発事業を展開しています。食の安全や悪質商法、生活設計、製品事故等について、講師派遣の仕組みを利用し開催しています。私どもの会員は高齢者が多く、振り込め詐欺などの被害防止の周知活動も、全国に展開しています。

全国地域婦人団体研究大会の取り組み

 毎年全国から2000人が集う全国地域婦人団体研究大会では、分科会で消費者問題を取り上げ全国的な意識合わせをしています。今年は、埼玉県の大宮ソニックシティで10月20日・21日に開催予定で、講師にノーベル賞を受賞された大村智博士を招へいします。分科会では、消費者委員会委員の池本誠司弁護士を助言者に、消費者トラブルについて参加者とともに、討議します。

ブロック会議でも

 全国7ブロックで開催するブロック会議でも、地域に即した消費者問題を取り上げています。
 これまで消費者教育のあり方について、検討が行われてきました。対象者別、テーマ別に伝えるべき課題が整理され、役立つ素材も作られ、ポータルサイトでの紹介も行われるようになりました。しかし、残念ながら、1人の人間の生涯にわたるトータルな消費者教育が行われるようになったとはまだいえない状況ではないでしょうか。例えば、学校教育においても、十分な教育を受けられた人とそうではない人が存在し、社会に出てからは、運がよければその機会に恵まれるという状態ではないでしょうか。
 そこでは私たちのような地域団体が、子どもから大人までの消費者教育に、地域の立場から参画し、トータルな教育をめざす必要性を強く感じています。

学校教育との連携も

 消費者教育推進協議会にも積極的に参画し、地域活動の中で他世代に対する働きかけを続けることの重要性を実感しています。幸い、私たち地域婦人会は、学校教育での放課後活動への参加など、学校教育とも連携を実施しています。今後はこの活動に消費者教育の観点をより積極的に盛り込めるよう、教材へのインターフェイスについて工夫をしていきたいと考えます。

高齢者対応も視野に

 残念ながら、私どもの会員がITの活用に長けているわけではないことを考えますと、活字メディアの情報提供の必要性もあり、機関紙『全地婦連』の活用も図ってまいります。
 加えて、私ども地域婦人会・女性会の強みは、学んだ幅広い知識を、寸劇や紙芝居などにして分かりやすく地域の皆さんへ伝えるという地域活動にあります。これらの活動を一層強力に進めていくためにも、あらゆる機会をとらえて、消費者教育を進めてまいります。

     ◇

 今回のテレビ会議システムですが、一堂に会し、目を合わせてお互いの息づかいが感じられる会議ではないので、皆さまに私の思いを伝えられたか、はなはだ不安を感じました。現在のシステムでは、テレビ会議には限界があると感じました。

→消費者問題・経済生活