477号(16年5月)

国の財政と未来を考える女性の集い

 4月22日に内幸町のイイノホールで、財務省財政制度等審議会財政制度分科会の、「国の財政と未来を考える女性の集い〜次の世代への橋渡し」と題した女性限定の公聴会が開催されました。公募で選ばれた400人を超える10代の高校生から70代までの女性が参加しましたが、全地婦連から柿沼トミ子会長、福岡県木下幸子会長・野島輝美副会長、埼玉県植田富美子副会長が出席しました。

10年ぶりの開催

 この公聴会は、財政問題のほか子育て支援や医療といった身近な社会保障問題を中心に、財務大臣や分科会の女性委員と意見を交わし、持続可能な財政や社会保障改革の推進について理解を深めるきっかけとすることを目的に7年ぶりに開かれ、女性限定の公聴会は実に10年ぶりの開催でした。

 税金に関心を

 開会に先立ち麻生太郎財務大臣は、「国の財政運営には、皆さんが納めている税金に関心を持ってもらうことが大切だ」と話しました。
 各委員がリレー方式で、(1)国の財政の現状(2)市場における日本国債(3)社会保障政策(4)受益と負担について説明しました。
 国の財政を家計に例え、借金をして赤字を埋めながら新たな借金をしている状況を分かりやすく紹介。平成28年度末の普通国債残高は、約838兆円に上ると見込まれ、これは税収の約15年分に相当する額で、返済しなければならないことを考えると、これからの世代に大きな負担を残すことになります。今後の急速な少子高齢化と人口減少社会を考えると、今の世代で急激な借金の返済は難しいとしても、少なくともこれ以上借金を増やさない施策が必要です。
 1990年代半ばに共働き世帯の割合が逆転し、女性の制度に対する「意識」は変わってきているものの、103万・130万の壁に見られるように「制度」が追い付いていないことも指摘されました。

質疑応答

 会場との質疑応答では、「個人が真正面から声を上げる方法は何か。選挙でも『絶対にこの人!』という完璧な候補者が見つからず、何かを諦めなくてはならない」という意見に対し、田中弥生委員はドイツの歴史を例に、国民が選びたい政治家や政党がないと不満を持ち、最低投票率を記録した結果、少数政党に分裂し議会が機能しなくなり、ナチス政権につながっていったことを挙げ、「有権者が自らの権利と義務を放棄すれば、結局政治も悪化する」と話されました。
 その他、「若い世代の労働力が足りない、子どもが必要という割に、保育施設も整っていないし、保育士の給料も低い」「高校生と政治家が、意見を交わす機会を増やしてほしい」といった意見や要望がありました。
 最後に麻生財務大臣は、これまで社会保障制度は高齢者に手厚いものであったとし、「若い世代は発言していくことが大切」と述べました。
 未来を担う女子高生も多数参加していましたが、この将来世代への負担をできるだけ少なくし、次世代も安心して暮らせる社会、全世代が活躍できる社会を築いていくにはどうしたらいいのか、一緒に考え、発言・行動していくことが大切だと学んだ公聴会でした。

→消費者問題・経済生活