477号(16年5月)

夢を、貧困につぶさせない
子供の未来応援国民運動

私たちの「地域力」で、柿沼会長
 

 2014年に厚生労働省は、日本の子どもの約6人に1人が貧困状態にあると報告しました。いわゆる貧困の連鎖によって子どもたちの将来が閉ざされることなく、夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指し、昨年10月1日、内閣府・文部科学省・厚生労働省と日本財団が中心となり、「子供の未来応援国民運動」が始動しました。

子どもたちが希望を持てる社会に

 全地婦連はこの国民運動の応援ネットワークを形成する協力要請を受け、第1回常任理事会で全会一致で承認、団体として協力していくことになりました。
 貧困によって受ける教育に格差を生み、それがハンディとなり貧困から抜け出せないばかりか、子どもの世代にまで連鎖していく不幸はなんとしても断ち切らなくてはなりません。努力すれば貧困から抜け出せるという希望が持てない社会は、チャレンジをする活力を失い、それが社会の停滞を生み出すことになります。

貧困の放置は社会的損失に

 子どもの貧困を放置すれば、子ども一人の将来が閉ざされてしまうだけでなく、貧困の連鎖により労働力の減少や市場の縮小、社会保障費の増加など、社会的な損失につながる懸念があります。子どもの貧困対策の推進は「未来への投資」です。これまで貧困は「個人の問題」と考えられてきましたが、このように社会や経済全体に影響があることが示されています。

子供の未来応援国民大会

 この国民運動の発展を図り全国に拡大していくため、協力団体が参集し、その旨を宣言する「子供の未来応援国民大会」が、4月27日に霞が関の灘尾ホールで開催され、全地婦連柿沼会長も出席しました。
 主催者の加藤勝信内閣府特命担当大臣の挨拶に続き、国の取り組み、企業からの報告、NPOの抱える課題などについて報告がありました。
 教育支援NPOの現場から見える課題に、学生ボランティアへのサポートの必要性が挙げられました。勉強が苦手でも、学生ボランティアなら年齢が近く、身近なロールモデルとして将来の夢が持てるなど、低所得家庭の子どもにとって学生ボランティアとかかわるメリットは大きいと考えられます。欧米ではもちろんアジアでも大学生のボランティアは盛んであり、学生時代に社会貢献することを国全体で推奨しています。
 しかし日本ではボランティアを望んでも、学生自身が経済的に厳しい、就職活動が心配、意識高い系と揶揄(やゆ)され評価されない、といった不安があり、やりにくいという声があります。
 そのためには、(1)ボランティアをする学生の奨学金負担を軽減するなどの経済的支援(2)就職活動などで、社会貢献活動を積極的に評価(3)教育支援ボランティアを単位として認める、大学で推奨・評価するなど国全体として、学生のボランティアを応援することが必要であると、NPO法人キッズドアの渡邉由美子理事長は話されました。
 大会の最後にはこの運動に賛同した各団体代表からの発言がありました。柿沼会長は、「私たち全地婦連は60年余の実績を持ち、沖縄から北海道まで全国各地で活動している地域団体として、この国民運動の趣旨に大いに賛同します。私たちの強みである実践力と、長年行政と培ってきた信用力をもとに、地域で子どもが孤立しないように、貧困のために未来や夢が奪われないように、行政や他団体と連携を取りながら、私たちの地域力でしっかりと救っていきたい」と宣言しました。

ホームページの活用を

 この運動の柱は、「子供の未来応援基金」の創設と、「ホームページの開設」です。寄付金は日本財団が管理し、民間の団体が取り組む支援活動の応援などに活用します。
 ホームページでは、子どもたちを支援しているNPOなどの民間団体と企業をつなぐ「団体と企業の交流」ページで、交流・協働できるパートナーを見つけることができます。「支援情報の検索」ページでは、国や自治体の支援を地域別・種類別などで検索することができます。
 全国大会や、各ブロック会議、県大会などでポスターやパンフレットを配布し、この運動の周知や基金へ協力の呼びかけをお願いいたします。
https://www.kodomohinkon.go.jp/

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