475号(16年3月)

健康カフェ「食べるための口腔ケア」(全国婦人会館公益事業)

講師は歯科医師の五島朋幸さん=2月12日、全国婦人会館

 全国婦人会館公益事業の一つ、女性の生活力向上のための教養講座の第3回健康カフェが2月12日に開催されました。この日のテーマは「食べるための口腔ケア〜口を大切にすることは生きること〜」

 講師は新宿区で訪問歯科診療をされている、ふれあい歯科ごとう代表の五島朋幸さん。「最期の最期まで、口から食べることをあきらめない」を提唱されています。
 五島先生が訪問診療を始めた1997年当時は、来院できない高齢者への歯科治療が目的で、訪問診療とは「歯のない高齢の患者さんのお宅で入れ歯を調整すること」で、それ以上でも以下でもありませんでした。
 ところが入れ歯が治ったのに食べられないという摂食嚥下障害の患者が増え、その対応に追われる日々。いくつかのアイディアで訓練の成果も見られるようになりましたが、自分が訪問しない間、患者の生活は何も変わらず、2週間に一度、自分が食べさせてあげていただけだったと気づいたのです。

口から食べることは「人間の尊厳」です

 歯科医師、歯科衛生士にできることは限界があると気づき、地域で「口から食べること」を推進するため、医療従事者、介護職、管理栄養士などと協働し、新宿食支援研究会を立ち上げました。栄養経路としての胃ろうを否定するものではなく、「口から食べる」ことは人間の尊厳であり、権利であり、生きる意欲となるのですと、力強く話されました。
 映像では、噛むことや飲み込むこともできなかった高齢者が、先生の1回の口腔ケアで食事がとれるようになった事例なども紹介されました。
 参加者からは、「胃ろうにすると口から物を食べてはいけないと思っていた」「口腔ケアによって誤嚥性肺炎が予防できるということがよく分かった」など、目からうろこの感想も聞かれました。

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