472号(15年12月)

中国ブロック会議 共通テーマ「地域防災」について研究協議

中国5県から230人が参加

共通テーマは「地域防災」

 11月4・5日、岡山県岡山市のホテルグランヴィア岡山で、中国5県の県婦連の会員230人が参加して、中国ブロック会議が開催されました。今年度の全地婦連ブロック会議の共通テーマである「地域防災」のあり方について、2日間研究協議を重ねました。


土屋紀子岡山県会長

 まず、西村敬一岡山理科大学総合情報学部特担教授・理学博士の「迫りくる災害から身を守るために〜中国地方の地震災害・土砂災害を考える〜」と題した講演から始まりました。
 比較的温暖で、自然災害はそう多くないと考えがちな中国地方ですが、西暦880年から2014年までに起こったマグニチュード5・0以上の地震の震源分布を見ると、23回起こっており、1872年の浜田地震で死者551人、1943年の鳥取地震で1083人、1946年の昭和南海地震で62人の死者が出ています。大きな地震は山陰地方か安芸灘に集中していて、広島県の内陸と岡山県ではほとんど起こっていないと考えられてきました。
 しかし、昭和南海地震では、岡山県の死者が51人と突出しており、地盤の軟弱な児島湾干拓地の被害が最も大きく、地盤沈下が生じて堤防は各所で決壊し、満潮時には浸水する場所も生じたと岡山県史にも書かれています。児島湾干拓地の岩盤には深い窪みがあり、その上に軟弱な地層が厚く溜まっているために被害が大きくなったと考えられていますが、これは岡山県南部の干拓地や島根県宍道地溝帯でも同様で、震源から離れていても思わぬところに大きな被害が起きることが分かっています。
 皆さんが心配している南海トラフ巨大地震の新たな予想と中国地方における地震災害の予測をすると、東日本大震災で起こったとされるばらばらの震源域が連動して大きな震源域となった、いわゆる想定外の大地震と同じものが起こるのではないかとされており、巨大地震と名付けられているわけです。従って、中国地方への影響も大きく予想され、岡山市や広島市の揺れはかなり強く、甚大な被害が出ると予想されています。瀬戸内海沿岸の平地では、長く続く揺れ、激しい揺れの波状攻撃での津波被害も予想されています。
 巨大地震なのかどうかを判断するために、例えば岡山県では、緊急地震速報から20秒後にガタガタッと揺れが始まり1分たっても揺れが収まらなければ、巨大地震の可能性が高いと考えられます。中国地方の家庭ではまだ不十分といわれている、家具転倒防止策やいざという時に安否確認ができる伝言ダイヤルの使い方など、日頃からできる備えをしておきましょう。
 それに加え、中国地方で心配されるのは豪雨、土砂災害です。特に、広島、島根、山口の3県は、山地の大部分が風化しやすい花崗岩質の岩石で覆われていることが影響します。土砂災害から身を守るには、雨量が設定数値まできたら、行政からの避難勧告が出なくても町会等の判断で避難を開始する、ご近所タイムライン(事前の防災行動計画)の導入を、ぜひお勧めしたいと、話しをまとめられました。
 続いて、NPO法人まちづくり推進機構岡山の代表理事、徳田恭子さんをファシリテーターとして、西村敬一先生を助言者にワークショップで、「災害時、女性は何をする?」と題し、皆で話し合いを行いました。
 2日目は、男女共同参画漫才「さっちゃん・ともちゃん」がまず登場。男女共同参画について笑いを交えながらの漫才で会場をわかせました。続いてNPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ代表理事正井禮子さんによる「女性の視点から災害支援を考える」と題した講演がありました。
 阪神・淡路大震災の教訓が東日本大震災で活かされたもの、不充分だったものを整理しながら、女性、子どもたち、障害者、高齢者等への配慮不足や、早い段階からの心のケアの重要性について話しました。また、「スフィア・プロジェクト:人道憲章と人道対応に関する最低基準」に基づくジェンダー・多様性配慮のチェックリストをもとに、避難所等の準備に早目に対応するとともに、備蓄チェックシートの活用を呼びかけました。
 本年度の中国ブロック会議は、地域防災に一貫して取り組み、不断の準備の重要性を参加者に強く訴えるブロック会議となりました。