469号(15年9月)

北方領土問題対策協会 国後・色丹島を訪問

一般訪問事業報告

全国各地から61人参加
7月23日〜27日

 北方領土問題対策協会の今年度2回目の訪問となる一般訪問事業(都道府県民会議主体)が、7月23日から27日に実施され、全国各地の返還運動関係者等61人が国後島と色丹島を訪問しました。全地婦連加盟団体の広島県、徳島県から会員3人が参加しましたので、感想を寄せていただきました。

両国の緊張感を肌で感じました
広島県地域女性団体連絡協議会 事務局 野田純子

 今年度第2回の訪問事業に広島県民会議から派遣され、国後島・色丹島を訪問しました。北の海は夏でも厳しいのかと不安でしたが、瀬戸内海より穏やかで、乗船したえとぴりか号の横をイルカが泳ぎ、快適な3時間でした。
 朝8時に国後島に上陸予定で待機していましたがなかなか許可が下りず、甲板から古釜布の町並みや沖に停泊中の船を眺めていたのですが、その中の一隻が先にだ捕された日本の漁船でした。上陸できたのは8時間後の午後4時で、両国の緊張感を肌で感じました。
 島は日本の気配は全くなく、墓地の石碑と博物館の展示品から当時を思い起こすのみとなっていました。今回訪問した団員には元島民や三世の方もおり、70年の年月を実感し「島に戻るのではなく、自由に行き来したいのです」と話されていました。
 北方領土は日本固有の領土です。早期返還を求めて、今以上に啓発活動を推進していかなければいけないと感じた5日間でした。

歌や踊りを互いに披露 友好的雰囲気で交流
徳島県婦人団体連合会 理事 矢野壽美子

 北方領土ビザなし交流訪問団として、国後島と色丹島を訪問しました。
 全国から61人(徳島県からは丸若裕二団長含む15人)が根室に集合し、北方四島交流センターで結団式とわが国の北方領土問題に対する基本的立場や返還要求運動の推進について事前研修会がありました。その後根室港発のえとぴりかに乗船して船は島の沖合に停泊し、5日間の船上生活でした。
 最初の国後島では郷土史博物館や古釜布の日本人墓地の墓参、友好の家で夕食交流会がありました。色丹島では中央病院色丹分院や穴澗初等中学校の視察、発電所、消防署、水産加工場、保育幼稚園、ロシア正教会などを訪れ、イネモシリの日本人墓地の墓参もしました。ホームビジットでは7つの家庭に分かれて訪問し、温かいもてなしを受けました。
 穴澗文化会館での住民交流会は、徳島が幹事県でしたから阿波踊りと手品を、ロシアの子どもたちはかわいい踊りや歌を披露し、会場全体が盛り上がり、お手玉をお土産にして友好的雰囲気の中で交流の輪が広がりました。
 今回の訪問で日本との生活レベルの違い、わが国の領土でありながらロシア警備局にだ捕され海に停泊している漁船の問題で目と鼻の先に見える国後島に上陸できず、船中で不安な思いで一日を過ごしたこと、ロシア政府が何十億ルーブルもかけて島の開発に取り組むことなどがあり、返還の難しさを感じました。
 貴重な体験をさせていただき、今後の北方領土問題解決に向けて活動をしていきたいと思います。覚えたロシア語はスパシーバ!(ありがとう!)です。

4日間の船内泊で毎日入域手続
徳島県美馬市連合婦人会 理事・監事 大館ツヤ子

 7月23日、北対協事業参加者が根室に集合しました。北方四島交流センターで、結団式と事前研修会が開かれました。
 出発式には多くの関係者や地元の人たちの見送りを受け、根室港から交流船えとぴりかに乗船しました。4日間の船内泊です。
 毎日入域手続きをしてから上陸し、島内を回りました。国後島は北海道と目と鼻の先にありながら自由には渡れない島です。
 郷土史博物館には元島民から送られたという花嫁衣裳が大切に保管されていました。友好の家での夕食交流会では、たくさんのロシア料理と歌や踊りで歓迎していただき、私たちもお礼に阿波踊りを披露しました。色丹島では2カ所の墓参りをしました。故郷を追われた故人の冥福を祈って手を合わせました。
 人道支援の発電所は、今もこの島の電力を養っているとのことでした。数少ないまちの商店で買い物も楽しみました。ロシア島民との短い交流時間ではありましたが、私たちを温かく迎えてくださったことをほんとうにうれしく思いました。
 島に自由に帰りたいと願う元島民の方やその家族の願いが早い時期にかなうこと、そして昔に味わった悲しみや苦しみを二度と繰り返さないように願うばかりです。5日間の交流事業に参加でき、とても貴重な体験となりました。

住民交流会=色丹島・穴澗文化会館