468号(15年8月)

地域活動ニュース(新潟)

半世紀ぶりに復活した春駒
新潟県佐渡市連合婦人会 元会長 土田圭子
カラフルな衣装で手駒を持って舞う「女春駒

 私たちの住む佐渡の郷土芸能に「春駒(ハリゴマ)」があります。春駒には炭鉱のあった相川方面の陣羽織を着て馬にまたがり、殿様の姿で舞う「男春駒」と島の中心部に伝わる手駒を持って舞う「女春駒」の2つの型があります。
 私たちがまだ幼かった頃、正月になるとどこからともなく太鼓の音が聞こえ、派手な衣装にひょっとこの面をかぶり、鈴のついた馬の頭をシャンシャン鳴らして、無病息災、商売繁盛、五穀豊穣を唱えながら、地方(じかた=音楽担当)との掛け合いで門付をして歩く姿を見かけたものでした。
 それがいつの間にか途絶えて約半世紀、何とか春駒を復活させたいとの思いで平成2年、80歳のおじいさんを師匠に婦人会で練習を始めました。今では、結婚式や福祉施設の慰問、芸能祭などで舞台芸として披露できるまでになりました。
 しかし、春駒本来の門付をして歩く勇気が、なかなか出ませんでした。
それを後押ししたのが町のお年寄りです。3年前のこと、地域の大きな祭りに勇気を出して、町中を門付して歩きました。すると「懐かしい! 復活させてくれてありがとう。来年もまた来てくれーや」と大好評でした。
 今年の4月15日には、大勢のカメラマンに囲まれて門付して歩きました。その姿を見て「春駒を習いたい」と、婦人会員が増えたことは予期せぬうれしいことでした。
 小学校へ門付した時には子どもたちが興味を示し、手拍子をとったり太鼓を叩いたり、馬に触ってみたり、交流を深めることができました。失われつつある佐渡弁を交えながら、この子たちに継承していきたいと、私たちの夢も膨らみます。
 昔から「300年は長生きをする」と伝えられている春駒のご祈祷です。いずれ次の世代にバトンを渡すときが来るでしょう。それまで楽しく、みんなで練習に励みたいと思っています。