468号(15年8月)

全地婦連 中部ブロック会議開く

平成27年度全地婦連中部ブロック会議

地域防災 広げよう防災意識・女性の力

 7月10・11日、愛知県名古屋市のルブラ王山で、中部ブロック会議が開催されました。メインテーマは地域防災〜広げよう防災意識 女性の力〜。中部5県の会員230人が集まりました。


【講演】
過去の震災の教訓に学ぶ巨大地震への備え
隈本邦彦客員教授

左から隈本邦彦さん、阪本真由美さん、柿沼会長

 まず名古屋市科学館でプラネタリウムの見学後、開会。名古屋大学減災連携研究センター隈本邦彦客員教授の「過去の震災の教訓に学ぶ 巨大地震への備え」と題した講演がありました。
 隈本さんは1980年NHKに入局し、25年間、医学と災害を中心に取材を続け、その経験を活かし、科学技術をわかりやすく伝えること、科学コミュニケーションを大事にされています。
 さまざまな経験の中で、メディアは災害の教訓を伝えるという役割を果たしていないのではないか、これを地域防災を考えるヒントにしてほしいと、当時のニュース映像を交えながら話されました。
 東日本大震災では巨大地震、津波が生中継で伝えられました。緊急地震速報は8・6秒後に、2分半後には大津波警報も出されました。刻々と海岸線の様子も報道されました。それでも多くの人が津波に流された事実をどう検証するか、それによってこそ次の災害に対する準備ができるのではないでしょうか。
 しかし、メディアがそれを実施しようとすると、被災者やその家族に優しくない報道ともとられかねず、そのような番組が制作されることはありません。そのため、メディアは災害の教訓を伝えることにいつも失敗しているのです。
 避難のチャンスも情報もあった人が亡くなった場合、そのことを指摘した報道はできないのが現実ですが、それでも先輩たちが亡くなった理由をきちんと知るべきです。
 20年前の阪神・淡路大震災の映像の記憶は多くの火災現場でしょう。しかし、見なければならないのはそのそばで崩れた建物です。死者の80%は地震発生直後の建物や家具による圧死でした。そのことを知れば、耐震性の高い建物の確保が大切であることは明白です。耐震補強には公的な補助金も準備され、その効果も検証されています。まず自分の家を見直し、周りに広めて備えていきましょう。
 講演の後は、交流会。愛知県立安城農林高等学校郷土芸能部の「三河万歳」がオープニングで披露され、大きな拍手が送られました。

【2日目】
女性の視点に立った地域防災への取り組みについて
各県の代表がスピーチ
西山妙子愛知県会長

 2日目は、全地婦連柿沼トミ子会長、愛知県の西山妙子会長の主催者挨拶に続き、来賓の大村秀章愛知県知事が「地域に根ざした防災対策が重要」と、挨拶されました。
 続いて、「女性の視点に立った地域防災への取り組みについて」と題し、各県の代表がスピーチしました。富山県の長谷川邦子理事は、南砺市の集中豪雨での対応、県内各地で行っている学習会、施設見学や現地視察などを重ね、災害に備えていることを報告しました。
 石川県の木下志津枝副会長は「共助の大切さ」として、能登半島地震の経験を踏まえ、地域での女性防災士第1号となり、その後年々女性防災士が誕生していることを報告しました。
 福井県の田村洋子会長は福井市が市内数カ所にモデル地区を設け、女性参画に取り組む計画をしており、婦人会としてその核となっている活動を報告しました。
 岐阜県の三輪弥生副会長は、高校生と一緒に不燃カーテン地を使った防災ずきんづくりのこと、食生活改善協会とともに、簡単にできる避難所向けの食事メニューづくりなど、各団体と連携し展開している活動を報告しました。
 愛知県の松永恵美子副会長は、課題として南海トラフ地震の危険があること、名古屋大学の減災館を拠点とした活動や、防災への継続的な取り組み、家具固定推進検討会への参加などの活動を報告しました。

【講演】
地域防災と全地婦連
全地婦連会長 柿沼トミ子

 この後は、全地婦連の柿沼会長が、「地域防災と全地婦連」と題し講演しました。東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市で、津波警報を受けてもすぐに避難しようとせずに逃げ遅れたものの一命をとりとめたという被災者の手記を紹介し、情報を受けたら適切に判断する力の大切さを強調しました。
 これまで全地婦連として、避難所等の運営には女性の視点を入れることの重要性を常に発信してきましたが、今後も全地婦連としての組織力を活かしながら、この問題に取り組んでいこうと話しました。
 続いて、名古屋大学減災連携研究センター阪本真由美特任准教授が、女性の視点を活かした防災対策と題し、講演。人はすぐに「自分は大丈夫」という正常バイアスをかけやすいので、常に率先避難者になる努力が必要。まだまだ日本の防災は圧倒的な男性社会であるので、女性の声をあげる努力はもっと必要である、と述べました。
 中部ブロック会議、最後のお楽しみはオペラアリアコンサート。ソプラノの飯田みち代さんが登場、美しい歌声に酔いしれ素晴らしい時間を共有し、会を閉じました。