465号(15年5月)

国連防災世界会議関連事業
高齢者・障がい者と防災シンポジウムで発言(岩手県)

 3月16日、第3回国連防災世界会議関連事業として、岩手県陸前高田市のコミュニティホールで、高齢者・障がい者と防災シンポジウムが開催されました。主催は国連開発計画、日本障害フォーラム、陸前高田市です。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災で犠牲となった障がい者は、全住民の割合の2倍であるといわれています。壊滅的な被害を受けた陸前高田市では約1・3倍でしたが、犠牲となった障がい者のうちおよそ9割が65歳以上の高齢者でした。
 仙台市で開かれる国連防災世界会議を契機として、誰もが安心して暮らせる、笑顔になれる住みよいまちを創るために、陸前高田市が進める復興へのまちづくりと「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」のビジョン実現に向けた市民協働による新たな取り組みを、国内外に発信するためにこのシンポジウムが開催されました。

陸前高田市
佐々木美代子会長が発言

 パネルディスカッションの中で地元婦人会の会長として、陸前高田市地域女性団体協議会の佐々木美代子会長が、今回の体験を通してこれからの災害対策に求めることについて発言をしました。その発言内容をご紹介します。

 はじめに、先の東日本大震災の際に、私たち被災地にお寄せいただいた全世界からのご厚意・ご支援に対し、この場をお借りして、心から感謝申し上げます。
 今回の災害への対応では、総じて男性の目線で進むことが多かったと思います。今後は意図的に女性を参画させ、女性の視点を入れてほしいので、その訳を数点述べたいと思います。
 (1)あの突然の津波によって生命が危険にさらされた時、ライフラインも破壊された中で、被災者に発災直後におにぎりを届けること、この地に伝わる「結い・炊き出し」ができたのは、生活技術を身につけている女性の力が大きかった。女性の力が入らなければ、スムーズな避難対策ができなかった。
 (2)普段の家庭生活で「育児は母親、家事は嫁」という家族の役割が、災害直後のパニック状態の避難環境では、女性に過重な負荷がかかった。家族の問題という側面もあるが、非常時、避難生活ということで考慮すべきであった。
 (3)女性の性保護への支援が必要であった。妊婦、母親の授乳、女性用品、女性専用トイレ、性暴力への不安等、備蓄を含めて災害時から考慮すべきであった。
 (4)災害時、言葉の壁や事態の変化にうまく適応できない外国人のお嫁さんに対し、配慮が必要であった。
 今回の災害では避難所が多く混乱し、避難所それぞれが独自に対応・運営することが多くありました。事前に阪神・淡路大震災の体験など、過去に学びながら避難所運営や備蓄・物資の流れが見える形になっていたならば、我慢を強いることなく、安心した生活ができ、心の復興が早まったと思われます。このようなことから、今後の防災には女性も参画していきたいものと思います。
 災害はいつでも突然やってきます。陸前高田市女性協では、その日のために、今回の震災体験を振り返って整理し、災害時に「自助・共助・公助がどうあればよいのか」を話し合い、地域に即した防災を考えていくことにしました。
 今のところ、イメージとしては「どのような人でも人を人として認め、相手を思いやる心を持ち、行動する市民」の育成が大事なことととらえています。女性協としては、まちのにぎわいを中心に、弱者といわれている市民はもちろん、震災で心痛む人を含めた市民が集い、ふれ合い、理解し合える場を位置づけてほしいと思っています。
 言葉では「防災にも女性を参画させるべき」と言えても、具体的には厳しいものがあるのも事実です。行政の力強い後押しをぜひ、お願いします。
 私たちは「よい形の復興を成し遂げたい」と思っています。ご指導・激励をよろしくお願い申し上げます。