465号(15年5月)

国連婦人の地位員会国連防災会議について聞く会

 4月23日、日本学術会議講堂で、第59回国連婦人の地位委員会(CSW)と第3回国連防災世界会議(WCDRR)の2つの国際会議の報告会が開催され、全地婦連からも参加しました。その概要をお伝えします。
2つの国際会議の報告会=3月23日、日本学術会議講堂

第59回国連婦人の地位委員会報告

合意結論等報告 テーマは北京+20

 3月9日から20日まで、ニューヨークの国連本部で開催された様子が橋本ヒロ子国連婦人の地位委員会日本代表から、報告された。
 今回は、男女共同参画に関する国際的な基準である「北京宣言、行動綱領」策定から20年目に当たることを記念した実施状況フォローアップ(いわゆる「北京+20」)をテーマに開催され、 8600人(1100人以上のNGO関係者を含む)が参加した。
北京+20のロゴマーク

 日本政府からは宇都隆史外務大臣政務官を政府代表として、橋本ヒロ子日本代表、外務省、内閣府、厚生労働省、文部科学省、JICA、NGOらの代表団が出席した。
 (1)各国代表や国連機関等の代表によるステートメント。宇都外務大臣政務官は3月10日に、「北京+15」以降の第3次男女共同参画基本計画に基づく国内の取り組みの推進、女性の活躍推進のための法律案の国会提出、第4次男女共同参画基本計画の検討等現在進める取り組み、UNWomenとの連携の一層の強化や武力紛争化の女性に対する暴力撤廃プロジェクトへの支援等について述べた。
 (2)ハイレベル円卓会合、パネル・ディスカッションの開催
 (3)サイドイベント 日本のNGOの2つは、大変好評であった。
 成果文書としては、「第4回世界女性会議20周年における政治宣言」と「CSWの将来の機構及び作業方法」「パレスチナ女性の状況と支援」の決議が採択された。

NGOと国連代表部共催 サイドイベント報告会

 (1)国際女性の地位協会理事の堀内光子さんから、女子差別撤廃委員会(CEDAW)とジェンダーに基づく暴力(GBV)‐北京会議後20年の進歩と課題について、女性の地位協会・日本国連代表部・ポーランド政府国連代表部が共催で実施したサイドイベントの報告があった。3月9日、開会式直後の開催で、参加者は300人を超えた。
 (2)日本女性監視機構副代表の織田由紀子さんから、3月13日に120人余が参加した高齢社会におけるジェンダー平等:アジアの視点について、日本国連代表部・NGO国内婦人委員会・国際婦人年連絡会・日本女性監視機構・フィリピン政府国連代表部共催で実施したサイドイベントの報告があった。
 BPWや大学女性協会からの支援で7人の学生がCSWに出席し、この日その1人である慶應義塾大学の学生が感想を話した。
 「CSWに出席して、日本の大学ではジェンダーを学ぶ教育がなされていないこと、男性もジェンダーステレオタイプに縛られていることを感じ、学生にできることは何かを考えた。SNSなどを通してジェンダーステレオタイプに気付いてもらうことや、機会を捉えてサイドイベントのような場を作ることを考えていきたい。若い世代への支援が必要である」の率直な感想に対し会場から拍手が送られた。

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 ※国連婦人(女性)の地位委員会CSWとは=1946年6月に国連経済社会理事会の機能委員会の一つとして設置された。CSWは、政治・市民・社会・教育分野等における女性の地位向上に関し、勧告・報告・提案等を行うこととなっており、年次会合は、現在はニューヨークの国連本部において、毎年2月〜3月頃に2週間の期間で開催されている。

第3回国連防災世界会議(WCDRR)報告

日本で最大級の国際会議

1、全体報告

 内閣府政策統括官付の防災担当者が、会議の概要を報告した。3月14日〜18日に東日本大震災の被災地である仙台市で開催、187カ国の代表、国際機関、NGO等、本会議には6500人以上(首脳25人を含む閣僚100人以上、国連事務総長、UNDF総裁)、関連事業を含めると延べ約15万人以上が参加した。わが国で開催した国連関係の国際会議として最大級の会議になった。
 議長は山谷防災担当大臣、開会式には天皇・皇后両陛下のご臨席、総理の挨拶があり、2015年から2030年の取り組みとして「仙台防災枠組」を採択。総理が「仙台防災協力イニシアチブ」を発表し、今後4年間で計40億ドルの協力の実施、4万人の人材育成を行うと表明した。
 具体的な措置としてはソフト支援、ハード支援、グローバルな協力と広域協力の推進を効果的に組み合わせて実施するとしている。
 安倍晋三総理大臣は「女性のリーダーシップ発揮」セッションで、「平常時にできないことは、災害時にもできない」と、東日本大震災からの経験を踏まえた防災における女性の役割の重要性についてスピーチした。

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 ※仙台防災枠組2015‐2030の特徴=防災の主流化、事前の防災投資、より良い復興、多様な主体の参画、人間中心のアプローチ、女性のリーダーシップなど、7つの具体的なグローバル目標が設定され、わが国が重視するよりよい復興と事前投資が含まれている。

2、内閣府男女共同参画局の取り組み

 担当者からハイレベル政府間対話、シンポジウムや企画展示の報告があった。

3、NGOの取り組み

・堂本暁子さん(男女共同参画と災害・復興ネットワーク代表)が、第3回国連防災世界会議までの経緯、女性主要グループとして、ジェンダー主流化を災害リスク削減の基本原則にすべきことなどを要望し、一部が仙台防災枠組に反映されたことを報告した。

・木須八重子さん(公益財団法人せんだい男女共同参画局財団理事長)からは、パブリック・フォーラム「女性と防災」テーマ館の取り組みが報告され、女性と防災〜仙台発 東日本大震災4年後の視座〜として、女性リーダーの新しいありよう、男女共同参画局センターの役割、災害と女の子、復興と企業の女性たち、ジェンダー視点を地域に根付かせる、など5つの視座が出された。
 この日会場には約80人程度の出席者。平日昼間の開催だったが決して盛況とは言えず、関心が一部の人に偏っている印象を受けた。

女性と防災テーマ館ロゴマーク