457号(14年9月)

北方四島交流訪問事業−全地婦連から3名が参加−

 北方領土問題対策協会の今年度第2回目の訪問となる一般訪問事業(都道府県民会議主体)が、7月24日から28日の日程で実施され、全国各地の返還運動関係者ら65人が国後島と択捉島を訪問しました。全地婦連加盟団体の新潟県と山口県から会員3人が参加しましたので、感想を寄せていただきました。

ホームビジット先で

住民の意向尊重し島の開発や整備
新潟県会長 外石栄子

 新潟県民会議の推薦により参加しました。昨年、新潟県民会議30周年記念事業の一環として根室を訪れ、北方四島返還運動の大切さは学んでいましたが、実際に国後島と択捉島に足を踏み入れて見た現実は考えさせられることが多かったと思っています。
 島に住む人にはロシア政府が優遇しています。島民の給料は本土の1・5〜2倍、年金は50歳から支給されます。日本の領土であるので、何とかしてロシアの権利を表したいからの措置だと思いました。
 日本とロシアの政府が話し合い、住民の意向を尊重しながら島の開発や整備を行う時期が来ていると感じました。早期返還が望まれます。元島民の手に早く四島が戻りますように!
ロシア政府が軍事関連施設に北方四島を利用するのではないかと懸念されていた矢先、軍事演習の報道があり悲しくなりました。
 国後も択捉も自然は厳しいと思いますが、豊かな温泉があり、山や草原は美しい。空港などの整備が整えば漁業だけでなく産業も栄えるでしょう。現在は漁業と缶詰工場が中心ですが、環境整備に力を注ぐことにより、徐々に他の産業も発展することになると思われます。これまでずっと日本人が暮らしていたなら、もっと違う島になっていただろうと考えたりしました。
 今後は現地訪問をして感じたことを機会あるごとに人々に話をしていかなければならないと思っています。大きな責任が一つ増えましたが、今回の訪問はよい体験ができ、いい機会に恵まれたことに感謝しています。

平和的に領土問題の早急な解決を
山口県理事 藤井恵子

日本のお習字を一緒に体験

 まだまだ生活環境が日本ほど整っているとはいえない国後島ではありましたが、働き盛りの若い世代の多さと、子どもの手をしっかりとつないで、舗装していない道を歩く母親の姿が印象的でした。
 一方択捉島では、徐々に公共施設や道路の整備が進んでいるようでした。交流会やホームビジットでは、積極的に日本の文化に触れようとする姿や、島の生活を熱心に説明する様子など、交流事業はしっかりと根付いているように思いました。
 しかし、これ以上島の整備や工場建設等の近代化が進めば、返還要求に応じてもらえるかどうかが懸念されます。平和的に北方領土問題が早急に解決できるよう今回の経験を活かし、これからは身近なところから啓発活動をしていきたいと思います。

日本人とロシア仁の友好の家で

私たちを友好的に迎えていただく
山口県事務局長 平野愛子

 初日は結団式と事前研修会の後に出航、2日目は国後島で、行政区長への挨拶、博物館や消防署等の視察と日本人墓地へ墓参に行きました。
 3日目は択捉島で住民交流会、お昼は数人ずつ各家庭に招かれ、たくさんのご馳走で歓迎を受けました。図書館や教会を視察し、まちで買い物もしました。4日目の択捉島は天候が悪く上陸を断念し、洋上慰霊祭と船内研修となりました。
 両島とも私たちをとても友好的に迎えてくれました。この交流も根付いているのを感じました。しかし、道路や学校、保育園、病院などの公の建物が新たに整備され、択捉島では飛行場を建設中で、居住環境が次第に整いつつある現実を目の当たりにしました。
 返還問題も早くしないと、ますます遠のくのではないかと感じました。同時にこの経験を多くの人に話し、身近なところから啓発を始めたいと思いました。

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