451号(14年3月)

総務省情報通信審議会郵政政策部会報告(及川公子理事)

「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の生活化方策の在り方について」
岩手県地域婦人団体協議会会長 及川公子


及川岩手県会長

 郵政民営化等の一部改正(平成24年)により、金融の新たなユニバーサルサービスが義務付けされ、銀行窓口業務・保険窓口業務・郵便窓口業務を一体的に行うものとして、郵便局をあまねく全国に設置する義務が課せられました。これは郵便および金融のサービスを提供することにより、地域の利便性の向上につなげることをねらったものです。

 しかし、インターネットの普及などで、郵便物の数は減少し、ユニバーサルサービスを将来的に確保していくための方策の検討が必要になっています。
 その状況下で、昨年6月に閣議決定された規制改革実施計画で「信書便事業に関して、ユニバーサルサービスを確保した上で、一般信書便事業の参入要件の明確化や特定信書便事業の業務範囲の在り方等、郵便・信書便市場における競争促進や更なる活性化の方策について、平成25年度に検討を行い、結論を得ること」とされ、総務省の情報通信審議会郵政政策部会で審議されることになり、私も委員のひとりとして参加することになりました。
 一般信書便とは、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と法律に記されており、長さ40センチ、幅30センチ、厚さ3センチ以内のものをさします。これは原則3日以内に送達し、全国全面参入が必須です。現在は日本郵便のみが行っています。

民間業者から出た参入要件の見直し

 これに対し、長さ、幅、厚さの合計が90センチを超え、または重量が4キロを超えるもの、3時間以内の送達、料金が1000円を超えるものは特定信書便事業として、行政や大手企業の本店と支店の郵便の巡回便などや電報類似サービスなどで民間参入が行われています。
 この民間参入の要件見直し要求が、一部事業者から行われ、今回の審議になったわけです。確かに「信書とは何か」は分かりにくいものですが、参入したいと考えている事業者にとっては、人口の多い地域でのサービスが前提で、いわゆる過疎地はその視野にはないと思われます。
 審議会でのヒアリングでも、事業者のみなさんはユニバーサルサービスの確保は日本郵便にお任せで、自分たちの責務ではないという発言が目立ちました。

暮らしに大切な地域の郵便局

 ユニバーサルサービスの確保は、人口密集地での利益で過疎地の高コストが負担されてやっと実現しています。
 漁協・農協の店舗が減少している現在、3・11の被災地では、郵便局は年金などの利用にも便利で助かっている人も多いのです。
郵便も週6日配達で、地方では元気確認や声掛けを配達員さんがしてくれているところもあります。
 私たちにとって大切な郵便局をどう守っていくのかを、きちんと確認しながら、事業の活性化を果たすためにどうすればよいかという視点を絶対に忘れてほしくはありません。
インターネットや電子メール、ファックスなどを利用して都市部や企業で仕事をされている方や若い人たちは郵便局離れの傾向なのでしょうが、私の住んでいる岩手県の120戸ほどの集落では、インターネットを接続している世帯は20戸にも満たないのが現実です。
 審議会の女性委員に、この話をしたら「どこにお金をかけるかだ」と言われました。高齢社会に突入している私の所には、ちょっときつい言葉でした。
 「民間でできることは民間で」といいますが、万が一にも地方の赤字路線がどんどん廃線になっていった国鉄民営化の轍は踏みたくありません。
 今後も、過疎地に住む者として、地方の声を審議会の場で伝えていきたいと思っています。