443号(13年7月)

中心市街地の活性化に向けて 審議会報告

経済産業省社会構造審議会臨時委員 中心市街地活性化部会
事務局長 夏目智子

 あなたがお住まいのまちは、どのような情況ですか? 中心市街地は元気ですか?

 全国的には人口減少と高齢化、買い物弱者の増加、インフラ維持コストの増大が進み、他方では公共交通の衰退や農地の衰退なども進んで、まちや中心市街地を取り巻く環境はさらに変化し、多くの地方都市が疲弊し、危機に瀕しています。
 そこで、地域の住まい手を支え、経済の重要な構成要素である「まち」を、今後も安定的かつ持続的にその機能を維持するために、産業構造審議会中心市街地活性化部会は、今年2月の設置以降7回にわたって議論を重ねました。

3点の具体的施策 まちも人も元気になる

 中心市街地の活性化に関する法律は平成10年施行、18年に改正されましたが、(1)認定基本計画全体での目標達成状況(2)居住機能、公共公益機能(3)商機能(4)地域の意見の集約、協議会組織の活性化(5)認定にチャレンジする市町村の数 ―― について改正法が掲げた目標は、少なくとも部分的にしか達成できていません。

固有の問題点も

 さらには (1)理念の共有不足(2)住まい手が主役であるという目線の弱さ(3)中心市街地外の住まい手等の支持の不足(4)施策の厚みの不足(5)基本計画に規定すべき4つの要素の充足に係る課題 ―― なども中心市街地活性化政策に固有の問題点としてあげられています。
 平成18年以降、まちや中心市街地を取り巻く環境はさらに変化し、(1)急速に進む人口減少・高齢化(2)まちなかの商機能の衰退等による買い物弱者の増加(3)拡散したまちのインフラ維持コストの増大(4)まちの顔としての中心市街地の重視 ―― などが課題となっています。
 以上のような状況を踏まえ、部会では中心市街地活性化対策の基本的な方向性を(1)理念の共有・浸透(2)民間が力を発揮しやすい環境作りと行政との協働(3)中心市街地外の住まい手への便益の拡大(4)個々のまちの実情への配慮・個性の尊重 ―― としてこの基本的方向性を踏まえ、具体的施策の方向性は、次の3点を講ずべきとしました。

1.中心市街地への投資の活性化・円滑化のための措置

(1)  フィールドの整備(ア 中心市街地の圏域設定、イ 空き店舗・未利用地の活用、ウ 生活利便施設の整備、エ 郊外投資、オ まちなか創業の環境整備、カ その他の環境整備)
(2)  担い手のあり方(ア 住まい手、イ 市町村、ウ 協議会、エ まちづくり会社、オ 大型店など、カ 商店街)
(3)  資金供給の円滑化(ア 公的支援の必要性、イ 出資・ファンドの可能性、ウ 補助金、エ まちづくりのための独自財源の確保)
(4)  まちづくり人材の充実

2.地域の実情に合った機能集約

(1) 集積の要件の緩和・複数の拠点設定の容認
(2) 既存ストックを前提とした取り組みの推進
(3) 目標における「質的向上」の重視
(4) 中心市街地活性化の3つのモデル(ア「総合型」モデル、イ「相互補完型」モデル、ウ「生活拠点型」モデル、エ 支援のあり方)
(5)  買い物弱者支援

3.市町村を越える取り組み

(1) 市町村相互間の連携
(2) 都道府県の役割
(3) 都市計画の運用・都市計画との整合性

 中心市街地活性化部会では、以上の提言をまとめましたが、現在の中心市街地の置かれた状況、商機能・公共公益機能の集積の現状が一朝一夕に改善されるものではありません。まちのあり方は多種多様であり、同じようなまちはありません。まちを再生するのはその地域の住まい手であり、事業や行政です。画一的なまちづくりではなく、地域の特徴をいかした、地域のやる気(知恵と熱意)に支えられた取り組みが必要です。
 人々が直面する諸課題について把握するとともに、諸制度のこれまでの運用実績を踏まえ、中心市街地活性化に関係のある各府省、関係者が緊密に連携しつつ、総合的な視野から施策を講じ、定期的、客観的な普段の見直しを行い、よりよい政策の構築に向けて進めることが期待されます。
 中心市街地が魅力を取り戻すことにより、地域の絆、コミュニティーの再生という目に見えない価値をもたらすことができ、まちも人も元気になる取り組みは今後も期待されるでしょう。

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