435号(12年11月)

消費者安全調査委に提言
 全地婦連など12団体と4個人連名で

 消費者安全調査委員会(いわゆる消費者事故調)が2012年10月1日に発足して1カ月になります。日本にはなかった消費者事故等の調査機関が創設され、すでに269件にのぼる問い合わせ、25件の調査申出があり、国民がこの機関に大きな期待を寄せています。委員には、失敗学で有名な畑村洋太郎さんをはじめ7人が任命されました。
 消費者事故調は、運輸安全委員会が担う事故調査以外のすべての製品や役務の事故を担当します。過去に起こったものであっても、事故防止の観点から取り組むことができます。申し出制度も設けられ、被害者や家族からの申し出も可能になりました。たいへんに期待される組織ですが、現実には少ない予算と人員でのスタートで、いくつかの懸念がすでに出てきています。
 委員会は、10月3日に発足、今後月1回開催されます。委員会には、事故調査部会がおかれ、11月5日に専門委員8人、臨時委員19人が任命されました。
 1回目の会合では、委員会の規定等が審議されましたが、非公開での開催でした。今後も基本として非公開、場合によっては公開という、最近の状況では考えられない閉鎖性です。
 予算・人員不足の委員会を後押しするためにも、個別事故調査以外は公開すべきです。そこで全地婦連をはじめとする12団体、4個人が連名で、消費者安全調査委員会の畑村委員長や消費者庁の阿南長官に提言を行い、11月末日までの回答を求めました。 
第一 調査体制、事務局体制の整備を急ぐべきです。
第二 国民が納得できる具体的事案の選定基準を作るべきです。
第三 国民が納得できる調査・審議にするために、審議は公開をすべきです。
第四 被害者参加を認めるべきです。
第五 関係者の調査手続きを早急に整備すべきです。
第六 捜査機関と同時に調査に入れるようルールを確立すべきです。
第七 調査の進行経過を公表すべきです。
第八 不服申し立て制度を設けるべきです。
 
 6日に開催された2回目の委員会では、警察庁とのとりきめについてや消費者安全調査委員会による情報の公表について話し合われました。
 そこでは、調査委員会が特定の事故等を原因調査の対象として選定したという事実は公表しない(製品・役務等の分野名だけ公表)、ただし「当該事故等を選定したという事実を公表しても事故原因調査等に支障がなく、関係者等への影響を勘案しても、消費者へ情報を提供する利益が上回る場合には、選定したという事実を公表する」としています。
 この日検討された事案の検討では、シンドラーエレベーター、パロマのガス湯沸かし器事故、エスカレーター事故が選定されたことが公表されました。東京都港区のシンドラーエレベーターの事故では、全地婦連も「赤とんぼの会」と一緒に原因究明を求めて運動を続けてきました。安全調査委員会で真の事故原因が解明されていることを期待します。

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