432号(12年8月)

東電の家庭用電気料金値上げ申請に意見

 5月11日に東京電力が家庭用電気料金の10%を超える値上げ申請を経済産業省に申請して以来、さまざまなところで審議が展開されました。その結果、7月25日に8・46%の値上げが許可されました。全地婦連としても柿沼会長と夏目事務局長がそれぞれ審議に参加、関東の電力会社1社の値上げ申請にとどまらず、公共料金のあり方について意見をのべました。

消費者の参画を
   会長 柿沼トミ子

 東京電力が燃料費の高騰を理由に、企業向け料金に続き家庭用電気料金の10・28%値上げを経済産業大臣に申請した。
 一連の東電の動きについては、上から目線と隠ぺい体質の中で、市民の不信感は募っており、全地婦連としても野田総理、枝野経産大臣に対し、安易な認可をしないよう要請文を提出していた。そんな中、松原消費者担当大臣の指示の下、「東京電力の家庭用電気料金値上げ認可申請に関するチェックポイント検討チーム」が設置された。
 委員は大学教授、弁護士、会計士、消費者代表ら10人、検討会議は公開され、毎回2時間にわたって開催されたが、松原大臣は皆勤賞、大臣自ら先頭に立ってのこのような会議は初めてのことである。
 私たち消費者にとってはありがたいことであり、消費者庁にとっての立ち位置も明確にアピールできたのではないか。
 チェックポイントは多岐にわたった。人件費はもっと削減し、消費者目線に立ってものを考えていただきたい。事業報酬は人件費にはまわさないように。調達等の競争入札比率は100%を目指すこと。新料金体系への移行に向けては、契約時において具体的な説明、広報などの情報提供を徹底すべき等、これらのチェックリストを手に、松原大臣は枝野大臣と最終協議。その結果、値上げ幅8・46%で決着した。
 今後は、公共料金の制度改革や料金設定において、当初より消費者は参画していくべき。電力料金に限らず、積極的に関与していかなければならない時代といえる。

公共料金の決定
   事務局長 夏目智子

 公共料金の決定は、家計に影響を受けることから多くの利用者にとって、重大な関心事の一つ。消費者委員会では、平成23年11月に「消費者基本計画」の検証・評価・監視の一環として「公共料金に係る関係省庁ヒアリング」を皮切りに、公開されている情報の収集・分析を行った結果、公共料金の決定過程の透明性、消費者参画の機会を確保するための取り組みが十分でない実態が明らかになった。
 東京電力の家庭用電気料金の値上げ問題については、平成24年2月28日に「公共料金問題についての建議」、5月10日「委員長声明」、6月19日「消費者委員会としての現時点の考え方」を示し、値上げ幅圧縮検討に資する取り組みをした。
 建議では(1)情報提供すべき情報の範囲と方法(2)消費者(利用者)の意見を反映させるための方策(3)公共料金について消費者の視点からチェックするための第三者機関設置の必要性(4)デフレ時代に見合った料金水準への「値下げ」を求めることができる仕組みのあり方(5)公共料金の審査等における原価の査定が厳正に行われるような仕組みのあり方をあげ、検討を関係省庁に強く求めた。
 7月31日、1兆円の公的資金を投入された東京電力は実質国有化されたが、公的資本の回収は非常に困難な状況。再値上げやさらなる公的負担が生じないよう、私たちは厳しく声をあげていく必要がある。消費者委員会は、消費者の「知る」「選ぶ」「参画する」権利を基調とした、消費者の視点にたった検証等を今後も継続していく。

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