423号(11年11月)

つくろう!弱者の損害取り戻す
「集団的消費者被害救済制度」

 近年、消費者相談は高水準で推移し、強引な勧誘や、「誇大広告にだまされた」「契約書の内容が不当だ」「買ったら欠陥商品だった」など、被害は後を絶ちません。
 そこで現在、小額でも多数の消費者が被害を受けた場合、その損害金等を取り戻しやすくする制度が検討されています。
 現在日本には、「消費者団体訴訟制度」があります。政府から〈適格消費者団体〉として認定された消費者団体が、一般の消費者に代わって、不当な事業者の行為を止めさせる「差し止め請求権」のみが認められており、たとえば英会話学校の契約の約款や、大学の入学金問題について改善させた実績があります。
 しかしこの制度は、消費者が損害金などを取り戻す仕組を持ちません。
  通常、消費者が何らかの被害を事業者から受けた場合、損害を受けた分を取り戻そうとすると、個人で事業者に直接交渉するか、消費者センター等に間に入ってもらって交渉することになります。これで事業者が交渉に応じない場合は、個人で訴訟を起こすしかありません。
 しかし、個人で訴訟を起こすには労力と費用がかかり、被害が数万〜百数十万の範囲の場合、たとえ損害を取り戻せたとしても、費用のほうがより多くかかってしまいます。
 現在検討されている制度は、被害をもたらした事業者を、適格消費者団体が訴えて勝訴すると、被害を受けた個々の消費者が、適格消費者団体との手続きを通して損害を取り戻せる仕組みです。
 欧米では同様の制度が早くからありますが、国内では一部の事業者団体から反発も出ており、消費者団体では、国への働きかけのほか、地方議会での陳情や請願をしていこうとしています。

→「消費者問題・経済生活」のページへ