405号(10年5月)

傍聴しました事業仕分け第2弾
国民生活センター等の評価は?

4月23〜28日の4日間、政府による事業仕分けの第2弾が行われ、47の独立行政法人と政府系の50の公益法人を対象に、事業の必要性・有効性・効率性や、誰が事業実施主体として適当かといった観点から検証されました。最終日は全地婦連事務局長の夏目が傍聴しました。

 この日の対象は、国民生活センター(消費者庁)、製品評価技術基盤機構(経産省)、農林水産消費安全技術センター(農水省)の3つの独立行政法人です。
  消費者庁が発足してから半年。国民の高い関心もあって、会場に入りきれない人が多く出るほどでした。
  国民生活センターは、(1)広報事業(2)情報・分析事業(3)相談事業(4)商品テスト事業(5)研修事業の5部門が仕分け対象です。

仕分け結果
  (4)の商品テスト事業については、関係独立法人や民間検査機関との有機的なつながりを構築し、効果的かつ迅速な商品テストに結びつける体制を早急に整えるべきとされました。同時に仕分け対象となった製品評価技術基盤機構(NITE)、農林水産消費安全技術センター(FAMIC)の活用が問われました。
  (5)の研修事業は、神奈川県相模原の施設廃止を含めた見直しとされました。72室ある宿泊施設16%、8つの会議室8%という、稼働率の低さが問題にされました。
  野々山宏理事長は「研修は中身の充実が重要で、相模原で行わなければならないということは全くない」と述べ、「都心で開催した場合のコストなどを検討していく」と回答しました。

消費者庁との関係
  仕分け人から「消費者庁は何をするのか」「役割がかぶっているのではないか」との意見が出たことに対しては、消費者庁の田中孝文次長は「消費者庁は政府の中での消費者行政の司令塔機能」(各省庁の消費者行政統括、企画立案、事故情報の収集・分析、消費者目線に立った措置)を持って設立されたと報告しながらも、「国民生活センターの事業と重複している部分があり、整理が必要」と回答しました。

  国民生活センター理事長に就任したばかりの野々山宏氏は、就任会見で「消費者庁・消費者委員会ができ、消費者市民社会が提唱されてきている。その中で情報発信や相談業務は消費者・国民と行政の接点であり、能動的消費者に向けて消費者目線での情報発信など、国民生活センターの役割は非常に大きい」と述べ、重要課題として情報活用と相談業務のレベルアップを挙げています。
  野々山理事長の説明は意気込みがあふれ出ていましたが、今回の仕分け結果も勘案して、消費者の立場から国民生活センターのあり方を考えていく理事長であってほしいと願います。

会場決定裏話
  行政刷新会議では経費削減を目指して入札制を導入。随意契約で決めた前回の国立印刷局の体育館ではなく、東京・日本橋の「TKP東京駅日本橋ビジネスセンター」大会議室が会場となったものの、結果は前回より費用がかさむことになりました。前回の費用が総額4000万円弱と予想以上にかさんだため、今回は“経営努力”として、会場と警備は競争入札を導入、ネット中継業者は無償協力の企業を公募しました。地下鉄から直接会場に入ることができ、個別の会議室でレシーバー無しでやりとりを聞くことができましたが、都心の一等地に大会議室を求めた結果、費用は前回より膨らんだようです。
  5月20日から始まる事業仕分け後半の会場は、入札で東京・五反田のTOC(東京卸売りセンター)に決まりましたが、費用対効果が問われる会場選びも注目されます。 前回の事業仕分けでは、会場に入りきれない人があふれ、レシーバー機器も足りず、私たちも含めて、多くの傍聴者はやり取りが聞き取れない状況でした。それなら会場へ出かけず、ネット中継を見ていた方がよかったかも知れないと思ったものです。

ネット中継と他の報道
  今回は前回に比べ画像は大きく鮮明になり、音声もはっきり聞き取れるようになっていました。
  一方、ネット中継と、重要な部分だけ選んで見せ読ませる既存メディアの報道姿勢の対比が明らかになりました。すべてを見せるネット中継はそのままの情報を伝えてくれますが、時間のない人にとっては不便でもあります。実時間と同じ時間をかけて全部見ないと結果がよく分からないからです。もちろん仕分け結果はホームページに掲載されていますが、なぜその結果になったのか、経過はよく分かりません。
  前回は、視聴者受けを狙って同じ場面を繰り返し放映する「額縁報道」が印象的だっただけに、ネット中継の意味もやはりありそうです。
  新しいネットによる報道と既存の報道には、それぞれの長所がありますが、うまく融合して、より高度な情報機能の発揮が期待されます。

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