404号(10年4月)

地デジ放送に関する意見交流会

 2011年7月24日はテレビのアナログ放送が停止され、地上デジタル放送(地デジ)に完全移行する日ですが、移行まであと500日をきりました。総務省は一時的にテレビを視聴できないケースが出るのを避けるため、無料相談などの対策を進めていますが、2009年12月現在、約30%の世帯(主に山間部等の辺地共聴施設、4階建て以上の集合住宅共聴施設、ビル陰等の受信障害対策共聴施設利用者)が地デジを視聴できない状況にあります。地デジの普及が進まない理由は様々ですが、施設整備の遅れのほかに、地デジ自体がわかりにくいと考えられているのも問題ではないでしょうか。そのため、全地婦連も加盟する全国消費者団体連絡会では、地デジに関する意見交流会を開催しています。

意見交換と問答集
 1回目は3月2日、地デジ普及の取り組みに関わる消費者団体から6名が出席し、懇談を行いました。
 この会では、消費者団体として、消費者への情報提供と啓発をすすめるため、(1)問答集“教えて地デジシリーズ”を作成、会員団体等に情報提供すること、(2)会の参加者を拡大し、問答集を検討していくことを決めました。
 2回目は4月8日、消費者17名、総務省などの関係者7名が出席し、地デジ推進の進捗状況報告の後、意見交流を行いました。この日の会議資料は厚さ約1センチ、これは地デジを理解することの難しさを物語っています。このように、地デジの基本情報がすべての国民に届いていないことが課題なのです。

国民目線の情報伝達を!
 1回目の意見交流会の後に作成された問答集の素案に、総務省から回答がありましたが、わかりにくい地デジへの理解が深まるような内容ではなく、出席者から厳しい意見が出ました。これを受け、総務省も消費者と連携しながら、既にある問答集も含めて、よりわかりやすい内容に修正することになりました。
 “暮らしがますます便利で安全になり、より豊かな放送サービスが実現する”をうたい文句に、国は地デジ化を急ピッチで進めています。私たち消費者は、無駄な買い物をせず賢く地デジ対応できるよう、情報を集めて、正しく理解することが必要ではないでしょうか。

※どうすれば地デジが見られるのかについて、詳しくは下記の総務省ホームページからダウンロードできる  パンフレットをご覧ください。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/dtv/pdf/nazenani_kihon.pdf

総合的な情報提供はこちらです
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/dtv/kihonjoho.html


地デジのここが心配

 日本の全5千万世帯・1億台のテレビへの地デジ完全普及には、必要な機器をより入手しやすい環境が求められますが、以下のようなことが心配されます。

(1)費用負担が大きい
  専用チューナーの購入もしくは地デジ対応テレビへの買い替え、さらに場合によっては対応アンテナなどの機器が必要で(世帯によって異なる)、費用負担が非常に大きい。受信機の購入は原則として視聴者の負担だが、生活保護世帯にはチューナーが支給される。

(2)不必要な機器を買わされるケースも起こりうる
  自分の家で地上デジタル放送を視聴するためには、どんな機器や工事が必要なのかをしっかり理解することが必要です。地デジ詐欺には注意しましょう!

(3)まだ全ての地域で受信可能になっていない
  地デジ中継局の整備が完全ではなく、いまだに対応していない地域が多いため、期日までに全世帯で地デジ対応できるようになるかどうかがわからない。
  (ア)辺地共聴施設 約2万施設 160万世帯
  現在の辺地共聴施設はほとんどが地デジ視聴に必要なUHF帯を伝送できない設備のため、改修が必要。15%程度の施設については、共同アンテナを設置。必要に応じて受信点の大幅な変更や周辺ケーブルテレビと接続しなければならない。
  (イ)受信障害対策共聴施設 約5万施設 670万世帯
  地上デジタル放送は、アナログ放送に比べて受信障害に強いため、受信障害地域はアナログ放送の1/10程度に減ると見込まれている。しかし、デジタル化後の受信障害範囲の調査、引き続き発生する受信障害のための施設の改修、受信障害が解消されて不要になる施設の撤去などに費用がかかる。また、受信障害が解消される地域の住民は、個別受信に切り替えるために、各世帯でUHFアンテナを設置する必要がある。
  (ウ)集合住宅共聴施設 約50万施設 770万世帯
  原則としてそのままで、地上デジタル放送が受信可能なUHF帯まで伝送できる施設が多いとされるが、4階建て以上の場合は改修が必要となるところも多い。

(4)受信機不足
  従来のテレビやアンテナでは地デジは受信できないため、対応している受信機が品不足に陥っており、期日までにすべての世帯に行き届くかどうかわからない。

(5)廃棄物の増加
  これまで普及していたアナログテレビは、現在国内で1億台。この大部分がチューナーをつけないと使用できなくなるため、一斉に廃棄される可能性がある。

(6)工事担当者の不足
  作業員の絶対数が足りず、工事が間に合わない。

(7)その他の予想されるトラブル
  有料チャンネルやケーブルテレビに加入している場合、地デジ導入とともに、実際には必要ない視聴チャンネルまで追加されるなどのトラブルが懸念される。

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