400号(09年12月)

「第48回全国消費者大会」報告

 11月18・19日に東京で全国消費者大会が開催され、消費者政策・環境・食・社会保障・平和・貧困と格差問題の各テーマで講演や分科会が行われました。長年、大会実行委員団体として活躍している東京地婦連は、今年は平和分科会を担当。また各地の地婦連会員の参加もありました。

 初日の全体会(新宿の全労災ホール)では、泉健太内閣府大臣政務官の来賓挨拶もありました。
 また『私たちはなぜ、安心して暮らせないのか?「格差」「貧困」問題解決のために、私たちのできること』と題した金子勝慶応大学経済学部教授(制度経済学・財政学・地方財政論が専門)による基調講演では、現代の格差と貧困がここまで激しくなった背景に、構造改革を到達点として日本が持続できない社会となってきたこと、セーフティネットのほころび、地域の崩壊など、「自己責任」論だけでは済まない現実があると指摘。消費と生産と雇用は結びついていることを認識して、持続可能な社会を実現する消費行動や活動をと、消費者への期待を寄せました。
 パネルディスカッションでは、小木曾宏淑徳大学総合福祉学部准教授から貧困家庭における子どもへの虐待の現実と背景が、特定非営利活動法人自立生活サポートセンター・もやいの冨樫匡孝さんから失業している若者の大変厳しい状況とその支援活動の実際が、特定非営利活動法人ほっとポット副代表の宮澤進さんから生活に困窮して家を失ったり窃盗事件を起こさざるを得ない高齢者の実態について報告があり、消費者団体に対して「声をあげられない人の声に耳を傾けて欲しい」「企業の社会貢献に対する評価をもっと高めて欲しい」といった投げかけもありました。

◇消費者政策分科会

 「消費者庁ってなぁに?〜池上彰さんの学べる!!消費者庁!〜」
 地婦連からの参加者が多かったこの分科会は、コーディネーターに元NHK記者で週間こどもニュースのお父さん役を務めた池上彰さんを、パネリストに消費者庁審議官、盛岡市消費生活センター主査、生活協同組合コープとうきょう理事、全国大学生活協同組合連合会学生委員長の皆様を迎え議論を深めました。
 社会経験の浅い大学生が多様な消費者被害を受けている実態を踏まえ、「もう一歩踏み込んだ消費者教育・啓発活動」の必要性が報告されたり、多重債務問題や詐欺など、消費者相談に寄せられる内容と対応状況から、センターは本来「くらしとお金の総合病院」であるべきだが現状では「人と仕組みが不足している」と訴え ました。
 消費者庁の役割・機能の説明もありましたが、これまでにない総合的で消費者目線に立った役所としての機能発揮はまだまだこれから。今後の発展には庁内外の努力が大切なこともわかりました。

参加者の感想より

 参加者の感想をご紹介します(実行委員団体である東京地婦連の参加者以外)。
 格差・貧困問題については「日本の貧困率15・7%に驚いた」「現場で取り組む方の生の声は切実で、問題の本質は重く聞き流してはいけない問題だと強く思った」「現実をしっかり把握し、自分たちのやれることをやっていく、応援することが大切」「日本の社会全体を構想して、消費の舞台から産業や農業の場を変革していく必要があるとのお話は目からウロコだった」との意見が。
 消費者政策分科会については「私たち一人ひとりの消費者にできることは“健全な猜疑心”を持つこと、消費者団体としては会員に消費者自ら行動することの大切さを伝え地域で広めることであるとわかりました」「新消費者庁の目玉政策である国と地方とのパイプについては通りがスムーズになるのに時間がまだまだ必要と感じたが、安全安心のために大いに活用・情報発信をしたい」「消費者庁の役割を決めるのは消費者自身との結論に納得しました」といった意見がありました。
 他にも環境分科会については「各団体の取り組みが聞けてよかった」、平和分科会については「原爆のことや第五福竜丸のことなど考えさせられた」、そして「県レベルの消費者大会では社会の根っこにある問題、貧困や社会から取り残された人たち、平和なといった内容は取り上げられることはないが、不況の中、今日的によい企画だったと思います」といった感想が寄せられました。

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