393号(09年5月)

日立の冷蔵庫で省エネ不当表示問題!
表示を信じて高額な買い物した消費者の立場は!?

内閣府の各種調査(地球環境問題に関するアンケート調査、世論調査)、によれば、「オゾン層の破壊、地球の温暖化、熱帯林の減少などの地球環境問題」に関心があるか尋ねたところ、「関心がある」「ある程度関心がある」と答えた人の割合が92・3%にのぼりました。
 地球温暖化防止のため、個人の日常生活における取り組みについては、「積極的に取り組む」「できる部分があれば取り組む」と答えた人が85・2%にのぼっており、いずれも前回調査より割合が高くなっています。
 消費者の環境意識と具体的行動は確実に変化しています。

公正取引委員会が排除命令

 こうした中、公正取引委員会は4月20日付で、日立アプライアンス(株)(石津尚澄取締役社長)に対して、「冷蔵庫総合カタログ」及びポスター等の表示内容について、不当景品類及び不当表示防止法に基づく排除命令を出しました。
 理由は、冷蔵庫「栄養いきいき 真空チルドV」シリーズ、「ビッグ&スリム60」計9機種のカタログ及びウェブサイト・新聞広告・ポスターで、実際にはほとんど使用していないも関わらず、冷蔵庫の「断熱材」の芯材の原材料に、廃棄された冷蔵庫からリサイクルした樹脂を使用したとし、使用していない場合と比べて二酸化炭素をマイナス48%と大幅に削減したと表記したためです。
 日立アプライアンス(株)は今回の件を契機にカタログ等の確認体制及びコンプライアンス体制を強化するとしています。また、2月10日に同社冷蔵庫9機種が受賞した「平成20年度省エネ大賞 省エネルギーセンター会長賞」も辞退しました。

省エネ信じ高額な買い物をさせられた消費者の立場は!?

 しかし、既にCO2を大幅に削減したという表記を信じて冷蔵庫を購入した消費者のことをどのように考えているのでしょうか。同社は「本件(排除命令)は、カタログ及びウェッブサイト、新聞広告、ポスターの表示に関する問題の指摘を受けたものであり、冷蔵庫の性能・機能自体に問題はないので、交換・返品の受付は考えていない。」としています。
 カタログ等には、「省エネに大きく差がつく」「日立は業界ではじめてリサイクル材を活用した真空断熱材の採用を始めました」「真空断熱材製造工程でのCO2排出量約48%削減」という表記が踊っています。
 今回の日立の冷蔵庫の省エネについての不当表示は、高価な商品でも、少しでも環境に優しい商品を購入したいと考える消費者の気持ちを欺きました。そして、政府・業界が進める省エネ製品の購入促進策への信頼も揺らぎかねないものにしています。

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