386号(08年10月)
こんにゃくゼリー死亡事故問題の根深さ
 9月30日、国民生活センターは、兵庫県に住む1歳9ヶ月の幼児が、こんにゃくゼリーをのどに詰まらせて死亡したことを発表。国民生活センターが把握している死亡事故は、95年の1件目にはじまり、今回で17人目となりました。
 国民生活センターはこれまでも、こんにゃくゼリーによる死亡事故が後を絶たないことから、注意喚起を行い、関係機関へ、こんにゃくゼリーの形状や固さ、表示方法等について要請をつづけてきました。しかし、幼児から高齢者まで、死亡事故は後を絶ちません。

全地婦連として野田大臣に申し入れ

 全地婦連では早速9月30日付で、野田聖子消費者行政推進担当大臣に宛てて、「こんにゃくゼリーの即時製造・販売禁止」を求める要請文を送りました。翌々日の10月2日、野田大臣は大臣室に、こんにゃくゼリーの製造メーカーを呼び、自主回収を促しています。

長年放置された問題

 欧州や韓国など諸外国では、製造販売の禁止並びに回収命令がなされているのに対して、我が国の対応は、これまで、食品衛生法(厚生労働省)、JAS法(農林水産省)など現行法のいずれにも、食品の形状・大きさを規定する条文はなく、法律のすき間に落ちるケースとして、こんにゃくゼリー事件は「すき間事案」と呼ばれています。
 しかし問題は昨日・今日起きたものではなく、国民生活センターが把握する死亡事故例だけでも1995年から起きています。この間、尊い命が失われているにもかかわらず、政策的な対応はなされず、現行法では対処できないと放置されてきており、製造メーカー各社の責任はもとより、政治・行政の不作為でもあるかと思います。
 かつて、全地婦連は、「おやつ」という映画を製作しています。戦後の混乱の中でも、子どもたちは空き地で元気に走り回り、駄菓子を手にして食べていましたが、お菓子の保存状態は悪く、手洗いもしないまま食べるなど、おやつを食べる環境は決して衛生的とは呼べるものではありませんでした。映画は、こうした環境の改善に向けて問題提起しています。
 このように全国の地域婦人会では早くから子どもたちが口にするお菓子を含めた食べ物について高い関心を寄せ、子どもとの料理づくりを含めて、食の大切さ、市販されている果汁飲料の着色料や果汁の混入率など具体的な取り組みと提言活動を行ってきました。
  こんにゃくゼリーは、のどに詰まり易い形状や固さについて幾度も指摘をうけ、改められた部分も一部あります。「幼児や高齢者は食べないでください」と警告表示が添付されているものもありますが、死亡事故は増えています。こんにゃくゼリーはもはや、安心して食することの難しいものであることが、今回の国民生活センターの発表で明らかになったといえるのではないでしょうか。
 
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