380号(08年4月)
「LPガス(プロパンガス)消費者意識調査」の結果がまとまりました!
 LPガスの取引をめぐっては、地域でのガスの安定供給と適正取引に努める誠実な事業者が存在しますが、一部に、価格や契約における十分な情報提供や説明といった、消費者とのコミュニケーション面での努力が不足していたり、残念ながら時には不誠実な事業者も存在し、トラブルになるケースもあります。
 全国の約半数の世帯がLPガスを使っていることから、LPガス事業者のあり方について、消費者・地域住民の立場で提起することを目的として、「LPガスの使用と取引ならびに災害時対応に関する消費者意識調査」を実施しました。
 なおこの調査事業は、資源エネルギー庁による平成19年度石油ガス販売事業者構造改善支援事業の補助を受けています。
 
■調査の概要
 3つの調査の結果を重ねて分析しました。

〔アンケート調査〕
 全地婦連の加盟団体を通じ、全国の3千世帯に配布して回答を得た(有効回答率89・5%)。

〔地域実態調査〕
 災害時におけるLPガスをめぐる被害・復旧の現状や、避難所支援のためのガスの供給や、行政との連携状況などについて、新潟県中越地震、能登半島地震の被災地で、聞き取りと視察による詳細な実態調査を行った。

〔グループインタビュー〕
 地婦連で活動する地域消費者リーダー10人(各ブロック代表)に集まってもらい、LPガスの使用にあたってどのようなイメージや実感をもっているのか、価格・契約・保安面での疑問等はないか、災害対応や地元事業者の地域へのかかわり方やそれに対する評価などについて、座談会形式で長時間にわたりじっくりと意見を聞き取った。
 
■調査結果
 ●料金について
 LPガスを毎月どのぐらい使用しているのか、料金についての知識、料金表を販売店から受け取っているか、契約書面を交わしているかといった、取引について聞きました。
 LPガスの料金については、公共料金なので一定に決められていると考えている人が31%に上り、料金表を受け取っていない人ほど、現在の料金に不満を持っている人が多いこともわかりました。
 実際は自由料金のため、各販売店によって異なっているはずです。販売店は、店頭に料金表を備え、顧客から問い合わせがあった場合には、それに基づいて料金設定の説明をしなければならないことになっています。

 ●契約書面について
 LPガス販売店から契約書面を受け取っていると回答した人は48%でしたが、理由の一つに、先代が契約したままだったり、近所づきあいでお願いしたケースなど、長年の契約関係からあいまいな場合が多いことが、グループインタビューなどからもうかがえました。
 しかし、料金の改定や貸付設備の変更など、契約内容に変更が生じた場合は、その都度、契約書面を再交付する義務が販売店にはあります。
  契約内容をあいまいにしておくと、LPガスの取引内容やトラブル時の対応に疑問をもつなどの不満につながります。実際、契約書面を受け取っていない人ほど、LPガスについての不満が高い傾向が見られました。

 ●保安面について
 LPガスの安全性について「不安」と答えた人は66%に上ります。一方LPガスでの事故は、マイコンメータ(地震やガス漏れなどの異常を察知すると自動的にガスを止める設備で、ガスタンクそばの供給設備に付けられている)や、ガス漏れ警報器等の安全機器の普及、LPガス販売店による保安点検などで、ピーク時(1979年)の10分の1程度に減っています。
 高齢化に伴う火事への不安感の増加が、ガス全般への不安感につながっていることも浮き彫りになりましたが、マイコンメータなどの安全設備の存在を知ることにより、不安感が低減される傾向にあることも明らかになりました。

 ●災害時対応について
 LPガスは配管構造が単純であり、持ち運びができることから、災害時に有効性が高いのですが、消費者にはあまり認識されていないことがわかりました。
 例えば大規模な地震の際には、マイコンメータが自動でガスを停止するが、その後バルブを閉めれば危険性はほぼなくなります。また、復旧にも時間は余りかかりません(販売店の点検も受けてください)。さらに避難所等への供給も簡単です。

 ●環境面に関して
 LPガスは、他のエネルギーに比べてCO2排出量が低く、事業者団体もPRをしていますが、消費者はほとんど認識していませんでした。
 現在、新築時(被災による住宅再建を含む)には、オール電化にするケースも多く、オール電化マンションも登場しています。しかし電化の流れには様々な問題も指摘されています(送電時に半分ぐらいの電力がムダになっていること、原子力依存度の増加、最近の石炭による発電量の増加、夜間電力消費を安く設定することによる生活スタイルの夜間化、節電感覚の喪失、電磁調理器の電磁波リスク、世帯数や生活の仕方・使用機器等によって費用も大きく変わることなど)。

■まとめ
 消費者としては、LPガスの料金や契約についての認識を日常から深め、保安については正確な知識の習得と警報器の設置など、日常から備えておくこと、防災訓練や地域行事などに販売店としての力も生かして積極的にかかわってもらうことなどが大切です。
 販売店等のLPガス事業者には、料金や契約面で常に透明化・明確化をはかり、わかりやすい説明ができるようにしておくこと、地域の防災訓練などに積極的に参加し、実践を通して災害時の役割を認識してもらうようにすること、環境面ではLPガスの使用方法も含むより説得力のある情報提供が期待されます。
 LPガス事業者もエネルギー供給や雇用の創出を担う、地域の一員でもあります。取引、保安、災害時対応、環境、地域貢献の「総合力」で、消費者・地域に信頼される販売店となってもらえるよう、消費者と販売店の間の(慣れ合いではない)根拠ある信頼関係づくが大切です。

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